東国原氏、舛添都知事は「背後の人たちと政治的裏取引?」

2016年6月14日8時0分  スポーツ報知
  • 給与全額返上と不信任決議案の提出を待ってほしいと求めた舛添要一知事
  • 今夏と20年夏の予定

 政治資金私的流用疑惑が浮上している東京都の舛添要一知事(67)が13日、給与の全額カットを申し出た上で、不信任案の提出を猶予して欲しいと申し出た。この日、都議会総務委員会の集中審議に応じ、6会派から4時間超に及ぶ追及を受けた直後に自ら挙手して発言。「知事の名にしがみつくということではない」と自身の進退に初めて言及した。異例の“延命要求”のワケを、元宮崎県知事の東国原英夫氏(58)が解説した。

 舛添知事が自身の進退について初めて言及しました。2つの狙いがあると思います。〈1〉2020年東京五輪・パラリンピック大会中の選挙は避けたい〈2〉次の候補者を探す時間を稼ぎ、あわよくば自身に対する風向きが変わるのを待っている―。背後にいる人たちの考えを舛添知事が代弁した、と言ってもいいでしょう。つまり、政治的な裏取引をしている証拠ではないでしょうか。

 審議の全体を通して感じたのは、舛添知事は都民の支持はいらないと思っている、ということです。13、14年正月に木更津のホテルで会談したとされる出版社社長の名前、年齢、性別なども明らかにしませんでした。明かさない理由については「政治家の信義にのっとって」「政治の機微」。これまでの“言い訳”を繰り返すだけでしたね。

 舛添知事の説明では、古くからの友人でもある社長をいずれも宿泊している部屋に招き入れた、としています。私が仮にこのような立場で政治資金の使途について追及を受けたのなら、まず、この面談相手にこうお願いするでしょう。「会談そのものがなかったのではないか、と批判されています。政治家としての信用に関わる話です。申し訳ないですが、ヒアリングしたり、ご協力を願えませんでしょうか」と。友人ならその位は応じてくれるはずでしょう。だが、それさえもできないと言います。「信用しろ」と言われても難しいのではないでしょうか。

 舛添知事が、このまま続投するとなれば、今後の都政は自公会派に政治生命を握られ、議会との緊張感がないままただ時間だけが過ぎていくことになります。重要な行政課題が山積みの中、何かを変えないと「空転」も避けられません。今後、舛添知事がさまざまな利権に切り込む改革はできないでしょう。

 猪瀬前知事、舛添知事と2代続けて金銭スキャンダルに見舞われました。政治不信は一層、広がることになりました。舛添知事はリオ五輪に次期開催都市の代表として出席しますが、それが最後の仕事になりそうです。(元宮崎県知事)

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