大阪府教育委員会の向井正博教育長は29日の記者会見で、文部科学省が全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の来年度以降の実施要領を見直し、入試への活用を制限する意向を示していることについて「制限に法的拘束力はない」と述べた。来年度以降も高校入試の内申点評価に活用したい考えを強調した。
松井一郎知事も近く下村博文文科相に申し入れる方針だが、議論は平行線をたどる可能性がある。
向井教育長は「入学者選抜は都道府県教委の事務だ」とし、全国学力テストの活用も自治体の裁量で判断すべき問題だと述べた。
学力テストの入試への活用については、29日に開かれた教育委員会議でも議論が交わされた。委員の1人は「問題を起こすのは避けたいと考えるのは当然」と不正を懸念する同省の考えを支持。別の委員は「生徒個人の利害には直接関係しない。(同省の)とらえ方は違う」と述べた。