札幌市の吉岡亨副市長は13日、2030年度に延伸開業予定の北海道新幹線札幌駅のホーム位置について「何とか在来線の本数を減らさず現行駅に持って来れないかという方法論の段階に入った」と述べた。現行の札幌駅の東側または西側に新幹線ホームを新設する案も選択肢に入れているJR北海道を改めてけん制した。
札幌の経済界で構成する新幹線現札幌駅乗入促進期成会(会長・伊藤義郎伊藤組土建名誉会長)の定時総会が市内で開かれ、吉岡副市長があいさつの中で述べた。総会では来賓として副市長とJR北海道の小山俊幸常務のほか、鉄道建設・運輸施設整備支援機構と北海道の各幹部が招かれ、ホーム位置を議論する4者協議のメンバーがそろった。
JRの小山常務は、在来線本数の削減や工事長期化などを理由に現行駅内でホームを設置する案の難しさを改めて説明する一方、4月の4者協議で鉄道・運輸機構から「検討がやり尽くされていない」と指摘されたことを挙げ、現行駅案も含め引き続き検討を重ねていくとした。
期成会の伊藤会長は「交通体系から見ても、現行駅への設置が必要だ。一方で工期短縮が大きな課題となる。どういう工夫ができるのか、経済界で意見をまとめ提案していきたい」と話した。