舛添氏の政治資金流用問題を追及した都議会総務委員会の集中審議【拡大】
リオの閉会式で五輪旗を振るのはオレだ。集中審議で質問の数々を「政治家としての信義で答えない」の一点張りでかわし切った舛添知事。最後にまさかの“演説”を用意していた。
「委員長!」。この日最後の質問者となった都議との質疑応答が終わると、知事は意を決したように手をまっすぐ高く挙げ、声を張り上げた。
「ひとつ伏して、都民、都議会のみなさまにお願いしたいことがございます」
何を語るのか。委員会室の都議、傍聴者、報道陣が固唾をのむ中、知事が求めたのは、リオ五輪までの“執行猶予”だった。審議では自民党以外が辞職を求め、不信任案提出へ動き出した。可決されれば知事辞職か議会解散に伴う選挙が実施される。これを逆手に取った。
「選挙はリオ五輪・パラリンピックに重なり、公益にそぐわない。少しの猶予をいただきたい。全ての給与をご辞退し、全身全霊、都民のために働きたい。知事の座に連綿としがみつくわけではない。リオ五輪の後、知事にふさわしくないと都議会が判断するなら、不信任決議案を出していただきたい」
8月22日の閉会式では、開催都市の引き継ぎセレモニーが行われる。その晴れ舞台にさえ立てるなら、給料はいらないし、帰国後に不信任案を出しても構わない。恥も外聞もないリオへの執着。委員会室に失笑が広がった。