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冬空の下のダンス ーライブを終えた後ー
「お疲れ、希」
「ふふっ。ありがとう直人君」
ステージから下りた彼女を迎えに来て、笑顔でタオルをあげた。
「ダンス、とっても良かったよ」
「ほんま?」
「うん。今日は一番輝いていた」
そう言われた瞬間、彼女が赤くなり始めてつい目を逸らした。
「そ、そこまで言わなくても///」
「でもそのくらい…」
「魅力的だったよ」
「?!///」
彼がまたそう言われるとさらに赤くなる。トマトのように。
「もうそれ以上ウチを恥ずかしくしないで///」
「ハハハ。希はからかいやすいからねw」
笑いながら彼女の頭の上にポンと手を乗せて優しく子供のように撫であげた。でも、彼女の顔はまだ不満に思っている。
「あまり"恋人"を茶化さないでよね」
と頬をぷくっと餅のように膨らませた。
「ごめんごめん。許して」
チュッ♡
「あ///」
希のおでこに優しくキスすると、周りの動きが止まったかのように感じた。二人だけの世界だけが動いていて他の事には興味を示さない。大雨が降っていろうか、雷が激しく鳴っていろうか、もしくは大雪がこの二人の頭上に降り積もっていろうか関係ない。
ただ、この間にある特別な瞬間を楽しめたい。そのくらい二人の関係が勝っている。
おでこから離れると、直人はもう一度"彼女"の顔を見た。
「これで不満が消えた?」
そう優しく声をかけると、希は、
「余計にドキドキしたよウチ」
「うう…ごめん」
直人は頭を下げてドキドキさせたのを謝った。すると、
「でも…」
「でも何ー」
チュッ♡
「?!///」
彼は顔を上げる前に、希は不意打ちに直接唇にキスした。そのやわらかい感覚がキスした後もしばらく残った。
「これでお互い様やね♪」
希は小悪魔な笑顔で返した。それを見た直人は少しため息をついた。
「そうだね」
「えへへ♪」
「それより、早く行こう。デートの時間がなくなるよ」
「ああ!そうやね。ちょっと待ち。すぐに着替えるから」
「おう。待っとく」
希が着替え室に行き素早く着替えると、彼氏のところに戻って一緒にライブステージから離れた。
〜〜〜***〜〜〜
「ああ〜。楽しかった♪」
「そうか、嬉しいな」
「ありがとう直人君。ウチの好きな店へ連れて。おかげで余計に食ってしもうた。財布大丈夫?」
「へへ。心配するな。付き合ってからの一年目の記念日だから、何か豪華な食事を奢りたいだけさ」
「ふふ。直人君優しい〜♡」
手を繋ぎながら、店から出て行った。街の中にはまだ人がおり、ちやほやカップルの姿もいる。彼らも二人の行動と同じく手を繋いだり、もしくは明るく話し合っていたりもしている。
今日の気温は少し寒い。でも、ポケットに入れるような寒さではない。ちょうどいい寒さである。そのちょうどいい寒さが、二人の距離が近くなる。希が彼氏の肩に寄りかかると、彼は希の頭の上に軽く倒した。
「直人君。覚えている、ウチたちの出会い?」
「ああ、覚えているよ。あれは文化祭の時だったね、音ノ木坂の」
「うん。直人君にもう一度会うなんて知らんかったんや」
「俺もだ。小学校卒業してから長い間会ってなかったよね」
「そうやね。ふふ。そこで久しぶりに思い出を話すと、なんだか小学校の頃に戻ってきた気がしたんや」
「全く、俺もだよ」
直人がうんうんと頷くと
「そして…あなたに告白されて付き合った///」
「うん…///恥ずかしったけど、あの時言わなかったらもう会えなくると思ったからね」
「あなたに"好きです"と言われたら、ウチの心が弾んだ。最初なんて言えばいいか分からなく、冗談だと思ったけど…」
途中で歩くのを止めると、希は下に向いた。彼女がそれを思い返すと、心の中にこもってきた想いが積み上げてきた。そしてその想いが、顔に涙が伝わっていく。
「嬉しかった…ほんまに嬉しかった…。ウチを"心の底から愛している"ことと"独りぼっちにさせないようにあなたの側にいると誓う"と言われると…心の中にいっぱいになった。その時に泣き崩れて、今まで我慢してきた痛い気持ちがなくなり、軽くなった。卒業してもずっと一人でいるだろうと思ったが…あなたに出会って全て変わった。もう一人で生きる必要がなく、誰かと一緒にいれることができるとは…この上のない幸せなものや」
言い終わって泣き続けると、直人は希を優しくお父さんが子供を抱きしめるように抱きしめた。
「もう泣くな。俺はずっと側にいるから心配するな。その長年渡る苦しい思いを解き放ったから、これからの思いを作ろう」
「…うん」
直人がギュッと抱きしめると希はそれに答えた。気持ちが落ち着くと、
「ああ。雪が降り始まったんや」
「本当だ」
上を見上げると、小さく綺麗な雪がぽつんと現れた。少なく降っている内に数が多くなった。それに気づいた周辺の人達も見上げて、わーわーと心地よく叫んでいた。すると、
「なあ、希。俺は歌を作ってきたんだ」
「歌?どんな歌」
「それは、君に出会ってから最後まで側にいる歌なんだ。聞く?」
「うん!聞く」
「行くよ。曲の名前は『恋におちたら』」
♪♪♪~~~
『出会ったときからずっとすべての世界変わり始めていたよ
今ならこの気持ちを 正直に言える
道に咲いた花にさりげなく笑いかける君が大好きで
どんな宝石よりも輝く 瞬間を胸に刻もう
心か心から思う君が大切なものは何ですか?
その笑顔その涙
ずっと守ってくと決めた 恋におちて I love you』
~~~♪♪♪
彼が歌うと、二人が踊り始めた。他の人の視線に気にせず自分たちの世界だけ夢中になり、踊りまわる。希は明るい笑顔で直人のリードに導き、体をくるりと回転したりもした。彼の奥深い声が優しくて、心地よかった。
ーそう。ウチの世界が変わったんや。
♪♪♪~~~
『君が子供の頃に見てたと夢と願いごとを聞かせて
たとえば今は違う場所に立っていても
思い通りにいかない日には懐かしい景色見に行こうよ
いくつもの思い出がやさしく君を包んでゆくから
心から心から思う君が信じているものは何ですか?
この街も友達もみんないつでも君の味方でいるよ always love』
~~~♪♪♪
ーそうやね。彼だけなくμ'sの仲間もいる。だから心配いらないんや。
♪♪♪~~~
『心から心から思う君が大切なものは何ですか?
その笑顔その涙
ずっと守ってくと決めた 恋におちて
心から心から思う君が信じているものは何ですか?
この街も友達もみんないつでも君の味方でいるよ
心から心から思う君が大切なものは何ですか?
その笑顔その涙
ずっと守ってくと決めた 恋におちて I love you』
~~~♪♪♪
ー直人君。君と再会して良かった。ほんまに♡
約5分くらいやると、踊り終わった。短く終わったがその歌と一緒に踊ったダンスが長く感じた。希が直人の顔を見上げると、彼は微笑んで小さく呟いた。
「愛してるよ、希」
「私も愛しているよ、直人君」
そして、直人の顔が希の顔に近づけると、二つの顔が優しくかさなった。
「お疲れ、希」
「ふふっ。ありがとう直人君」
ステージから下りた彼女を迎えに来て、笑顔でタオルをあげた。
「ダンス、とっても良かったよ」
「ほんま?」
「うん。今日は一番輝いていた」
そう言われた瞬間、彼女が赤くなり始めてつい目を逸らした。
「そ、そこまで言わなくても///」
「でもそのくらい…」
「魅力的だったよ」
「?!///」
彼がまたそう言われるとさらに赤くなる。トマトのように。
「もうそれ以上ウチを恥ずかしくしないで///」
「ハハハ。希はからかいやすいからねw」
笑いながら彼女の頭の上にポンと手を乗せて優しく子供のように撫であげた。でも、彼女の顔はまだ不満に思っている。
「あまり"恋人"を茶化さないでよね」
と頬をぷくっと餅のように膨らませた。
「ごめんごめん。許して」
チュッ♡
「あ///」
希のおでこに優しくキスすると、周りの動きが止まったかのように感じた。二人だけの世界だけが動いていて他の事には興味を示さない。大雨が降っていろうか、雷が激しく鳴っていろうか、もしくは大雪がこの二人の頭上に降り積もっていろうか関係ない。
ただ、この間にある特別な瞬間を楽しめたい。そのくらい二人の関係が勝っている。
おでこから離れると、直人はもう一度"彼女"の顔を見た。
「これで不満が消えた?」
そう優しく声をかけると、希は、
「余計にドキドキしたよウチ」
「うう…ごめん」
直人は頭を下げてドキドキさせたのを謝った。すると、
「でも…」
「でも何ー」
チュッ♡
「?!///」
彼は顔を上げる前に、希は不意打ちに直接唇にキスした。そのやわらかい感覚がキスした後もしばらく残った。
「これでお互い様やね♪」
希は小悪魔な笑顔で返した。それを見た直人は少しため息をついた。
「そうだね」
「えへへ♪」
「それより、早く行こう。デートの時間がなくなるよ」
「ああ!そうやね。ちょっと待ち。すぐに着替えるから」
「おう。待っとく」
希が着替え室に行き素早く着替えると、彼氏のところに戻って一緒にライブステージから離れた。
〜〜〜***〜〜〜
「ああ〜。楽しかった♪」
「そうか、嬉しいな」
「ありがとう直人君。ウチの好きな店へ連れて。おかげで余計に食ってしもうた。財布大丈夫?」
「へへ。心配するな。付き合ってからの一年目の記念日だから、何か豪華な食事を奢りたいだけさ」
「ふふ。直人君優しい〜♡」
手を繋ぎながら、店から出て行った。街の中にはまだ人がおり、ちやほやカップルの姿もいる。彼らも二人の行動と同じく手を繋いだり、もしくは明るく話し合っていたりもしている。
今日の気温は少し寒い。でも、ポケットに入れるような寒さではない。ちょうどいい寒さである。そのちょうどいい寒さが、二人の距離が近くなる。希が彼氏の肩に寄りかかると、彼は希の頭の上に軽く倒した。
「直人君。覚えている、ウチたちの出会い?」
「ああ、覚えているよ。あれは文化祭の時だったね、音ノ木坂の」
「うん。直人君にもう一度会うなんて知らんかったんや」
「俺もだ。小学校卒業してから長い間会ってなかったよね」
「そうやね。ふふ。そこで久しぶりに思い出を話すと、なんだか小学校の頃に戻ってきた気がしたんや」
「全く、俺もだよ」
直人がうんうんと頷くと
「そして…あなたに告白されて付き合った///」
「うん…///恥ずかしったけど、あの時言わなかったらもう会えなくると思ったからね」
「あなたに"好きです"と言われたら、ウチの心が弾んだ。最初なんて言えばいいか分からなく、冗談だと思ったけど…」
途中で歩くのを止めると、希は下に向いた。彼女がそれを思い返すと、心の中にこもってきた想いが積み上げてきた。そしてその想いが、顔に涙が伝わっていく。
「嬉しかった…ほんまに嬉しかった…。ウチを"心の底から愛している"ことと"独りぼっちにさせないようにあなたの側にいると誓う"と言われると…心の中にいっぱいになった。その時に泣き崩れて、今まで我慢してきた痛い気持ちがなくなり、軽くなった。卒業してもずっと一人でいるだろうと思ったが…あなたに出会って全て変わった。もう一人で生きる必要がなく、誰かと一緒にいれることができるとは…この上のない幸せなものや」
言い終わって泣き続けると、直人は希を優しくお父さんが子供を抱きしめるように抱きしめた。
「もう泣くな。俺はずっと側にいるから心配するな。その長年渡る苦しい思いを解き放ったから、これからの思いを作ろう」
「…うん」
直人がギュッと抱きしめると希はそれに答えた。気持ちが落ち着くと、
「ああ。雪が降り始まったんや」
「本当だ」
上を見上げると、小さく綺麗な雪がぽつんと現れた。少なく降っている内に数が多くなった。それに気づいた周辺の人達も見上げて、わーわーと心地よく叫んでいた。すると、
「なあ、希。俺は歌を作ってきたんだ」
「歌?どんな歌」
「それは、君に出会ってから最後まで側にいる歌なんだ。聞く?」
「うん!聞く」
「行くよ。曲の名前は『恋におちたら』」
♪♪♪~~~
『出会ったときからずっとすべての世界変わり始めていたよ
今ならこの気持ちを 正直に言える
道に咲いた花にさりげなく笑いかける君が大好きで
どんな宝石よりも輝く 瞬間を胸に刻もう
心か心から思う君が大切なものは何ですか?
その笑顔その涙
ずっと守ってくと決めた 恋におちて I love you』
~~~♪♪♪
彼が歌うと、二人が踊り始めた。他の人の視線に気にせず自分たちの世界だけ夢中になり、踊りまわる。希は明るい笑顔で直人のリードに導き、体をくるりと回転したりもした。彼の奥深い声が優しくて、心地よかった。
ーそう。ウチの世界が変わったんや。
♪♪♪~~~
『君が子供の頃に見てたと夢と願いごとを聞かせて
たとえば今は違う場所に立っていても
思い通りにいかない日には懐かしい景色見に行こうよ
いくつもの思い出がやさしく君を包んでゆくから
心から心から思う君が信じているものは何ですか?
この街も友達もみんないつでも君の味方でいるよ always love』
~~~♪♪♪
ーそうやね。彼だけなくμ'sの仲間もいる。だから心配いらないんや。
♪♪♪~~~
『心から心から思う君が大切なものは何ですか?
その笑顔その涙
ずっと守ってくと決めた 恋におちて
心から心から思う君が信じているものは何ですか?
この街も友達もみんないつでも君の味方でいるよ
心から心から思う君が大切なものは何ですか?
その笑顔その涙
ずっと守ってくと決めた 恋におちて I love you』
~~~♪♪♪
ー直人君。君と再会して良かった。ほんまに♡
約5分くらいやると、踊り終わった。短く終わったがその歌と一緒に踊ったダンスが長く感じた。希が直人の顔を見上げると、彼は微笑んで小さく呟いた。
「愛してるよ、希」
「私も愛しているよ、直人君」
そして、直人の顔が希の顔に近づけると、二つの顔が優しくかさなった。