排便回避を「努力目標に」
学校給食での集団食中毒発生を受け、福井県若狭町が町給食センター調理員に勤務時間中の排便を禁止するよう「衛生管理マニュアル」を改定した問題で同町は13日、マニュアルを再改定し、排便回避を努力目標にしたと発表した。ただし、「排便後にその日の調理作業には従事しない」としており、福井県医薬食品・衛生課は「人間の生理現象を制約する内容と取られかねず、今後も検討が必要」としている。
再改定では「原則排便禁止」としていた表現を「出勤前に排便を済ませ、調理作業中に排便しなくてすむように心がける」に修正。
一方で、便をした調理員は、その後の調理には従事せず、消毒後の設備・器具に触れない▽トイレの清掃・消毒をする▽責任者に(排便を)報告する−−との内容を盛り込んだ。
同町は、マニュアルの最初の改定と今回の再改定のどちらも「県の指導によるもの」と説明したが、県は「協議はしたが、指示はしていない」と否定した。
この問題を毎日新聞が10日に報道後、インターネット上などで批判の声が強まり、町職員や保護者からも「違和感がある」などの声が多数上がった。町の担当者は「反響の大きさから表現が厳しすぎたと考えた」と再改定の理由を説明した。【高橋一隆】