2016年6月13日17時59分
子どもたちが戦争について知るきっかけに――。朝日新聞社は、この夏も、教育特集「知る原爆」「知る沖縄戦」をご希望の学校に無料でお届けします。いずれもフロント面を一新し、朝日新聞社が戦後70年の昨年に実施した被爆者、戦争体験者アンケートを盛り込みました。5月の募集開始から、すでに14万部を発送。さらなる応募をお待ちしています。デジタル版では、今年版の紙面イメージをアップしました。PC・タブレット端末・スマートフォンでもお読みいただけます。
「知る原爆」は発行5年目。漫画「この世界の片隅に」の作者こうの史代さんのインタビューや、被爆者が亡くなる直前にアンケートに記したメッセージ、そして長崎出身のシンガー・ソングライター福山雅治さんが、被爆したクスノキを題材にして曲を作った話題などで構成しています。全文ふりがな付き。通常の朝日新聞の半分のコンパクトサイズで、カラー20ページです。
「知る沖縄戦」は主に中学生以上が対象で、3年目の発行となります。ひめゆり学徒隊や集団自決、対馬丸の撃沈。多くの住民が巻き込まれた地上戦の悲劇を伝える証言を中心に、Q&A方式の解説、沖縄出身のモデル知花くららさん、腹話術師いっこく堂さんのメッセージなどで構成しています。今回新たに、円グラフでまとめた沖縄戦体験者のアンケート結果を収録しました。コンパクトサイズでカラー16ページです。
希望する特集名を明記し、校名と所在地、電話番号、担当者名、必要部数を記入し、ファクス(06・6221・5634)かメール(1622@asc-g.co.jp)でお申し込みください。学校単位が原則ですが、個人でもお受けします。申し込み多数の時、ご希望に沿えない場合もあります。締め切りは10月末です。
問い合わせは朝日新聞コミュニケーションセンター(06・6222・2000)へ。
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■「知る原爆」の内容
◇1ページ
普通の人たちが戦争に巻き込まれてしまう。当たり前の日々が、どんなに尊いかを感じてほしい――。2016年秋に公開されるアニメ映画「この世界の片隅に」の主人公のイラストと、原作者である漫画家・こうの史代さんのメッセージです。
◇2~5ページ=再現 広島・長崎
あの日、広島と長崎で何が起きたのか。朝日新聞社の被爆60年アンケートに寄せられた1万3204人の証言を元に再現しました。
◇6~7ページ=伝えたいこと
被爆から70年たった今でも、半数以上の方が健康不安を訴える――。朝日新聞社が被爆者5762人から回答を得た、昨年のアンケート結果をまとめました。また、亡くなる直前にアンケートに記した、女性のメッセージも取り上げています。
◇8~9ページ=みらい ひらく
原爆投下後の広島でたくましく生きる男の子を主人公にした「はだしのゲン」。作者の中沢啓治さんが作品に込めた思いを語ります。
長崎への原爆投下で黒こげになりながら、のちに芽吹いた「被爆クスノキ」。この木を題材に、シンガー・ソングライター福山雅治さんがつくった歌を紹介します。
◇10~11ページ=げんばくって
原爆ってどういうもの? どうして落とされたの? Q&A方式で原爆について、できるかぎりやさしく説明しています。
◇12~13ページ=かこ みつめて
原爆や平和のことを考えるきっかけになる本と絵本を、学年別に紹介しています。
◇14~15ページ=みて かんじて
平和学習に活用できる映画などを、映画の企画制作をしているシネマキャラバンV.A.Gの友川千寿美さんに紹介してもらいました。
◇センターA~Dページ=たずねる広島、たずねる長崎
広島と長崎には、傷ついた建物や亡くなった人の持ち物などが、今も大切に残されています。その一部を写真で紹介します。切って折って簡単な工作をすると、持ち運びに便利な小冊子になります。感想を書き込めるコーナーもあり、修学旅行などで広島・長崎を訪ねた時のミニガイドになります。
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■「知る沖縄戦」の内容
◇伝えたいこと
沖縄出身のモデル知花くららさんが、祖父に戦争の体験を聴いた経験を語ってくれました。両親が体験したという腹話術師いっこく堂さんも、「ちょっとでもいい。知ってほしい」と訴えています。
◇沖縄戦Q&A
「なぜ沖縄が戦場になったの?」「住民はどうなったの?」。沖縄戦の基礎知識をQ&A形式でまとめました。
◇対馬丸の撃沈
沖縄から疎開する子どもたち約1800人を乗せた対馬丸が、米潜水艦の攻撃を受けて沈没、1400人余りが犠牲になりました。当時9歳で、約1週間海をただよって生還した女性の証言です。
◇地上戦を生きのびたある母親の記録
沖縄戦をはさんで1年余りの間に、母、夫、長男、長女…と次々と家族を失ったある母親の行動記録と証言から、住民を直接巻き込んだ地上戦の様子を再現します。
◇ひめゆりの悲劇
沖縄戦では、いまの中学、高校生にあたる若者たちが戦場にかりだされ、犠牲となりました。生き残った方の証言とメッセージを紹介します。また、戦争を体験した人びとが高齢となっていくなか、ひめゆり平和祈念資料館では、若い世代が証言を受け継ぐ仕事をしています。どんな思いで、代わりに証言を語っているのでしょうか。
◇子どもたちの戦場
「命は、鳥の羽より軽くあつかわれた」。16歳で学徒隊のひとつ、鉄血勤皇隊に入ることになった男性が、米軍の攻撃から逃げる途中で、同級生が何人も亡くなった体験を語ります。
◇「集団自決」
「米兵につかまるぐらいなら、死を選べ」。そう教えられていた人たちは、激しい戦闘のなかで追い込まれていきました。手投げ弾を爆発させたり、幼い弟や妹を手にかけたり……。2人の証言です。
◇戦後70年 地上戦の記憶
戦後70年の昨年、朝日新聞が体験者にアンケートを行った結果を円グラフでまとめました。6割以上の方が、今でも沖縄戦の体験を「突然思い出す」と答えています。どれだけ深い傷を残したのでしょうか。
◇もっと知るために
戦後、沖縄県で最初に建てられたという慰霊碑や、地下に掘られた旧海軍司令部壕(ごう)、多くの住民らが亡くなった自然洞窟(ガマ)を紹介します。沖縄戦について学べる本のガイドコーナーもあります。
◇沖縄のいま
沖縄戦から71年。米軍基地が集中する沖縄のいまをまとめました。
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