アップルの開発者会議WWDC 2016より。発表の柱の一つとなったのが、tvOSの新バージョン。昨今力の入っているApple TVの機能をさらに強化する新版です。一般ユーザー向けのアップデートは今秋の予定。開発者向けには本日からプレビュー版を提供開始します。
目玉的な機能の一つは、Siri経由での番組内容検索。「80年代のハイスクールコメディを探して」といった検索ワードで、YouTubeなどの動画サイトや視聴可能な動画配信サービスを横断して番組検索が可能になります。さらにiOSデバイスのログオン状態を引き継ぎ、さらに各種動画配信サービスへのログインも自動化するシングルサインオンにも対応します。
また、iOS向けのApple TVリモートアプリも強化され、Siri経由での音声操作が可能に。さらにiOS機側のキーボードやジャイロセンサーにも対応するため、ゲームコントローラー代わりなどとしても使えるようになります。
また機能だけ聞くと一見地味ですが、実は利便性が大きいのがシングルサインオン。というのもApple TVユーザーにとっては、動画配信サービスへのログインは、Apple TVリモコンでのパスワード入力などが求められる点、さらに米国などでは複数の動画配信サービスと契約しているユーザーも多い点などから、管理が従来非常に面倒だったため。iOS機でログインしていれば入力が不要となると紹介されると、ユーザーからの反響が沸きました。
さらに画面のテーマには「ダークモード」が追加。これを選ぶと、従来は明るいグレーをベースにしたメニュー画面などが、シックな印象の濃いグレーを基本とする画面となります。ホームシアターなどで照明を暗くしているユーザーなどにとっては嬉しい機能追加です。
また開発者向け機能として、画面録画機能「ReplayKit」やiCloudのフォトストリームにアクセス可能な「PhotoKit」、家庭用IoT機器を操作可能な「HomeKit」が拡張されます。これらはiOSに搭載されていたものの、tvOSでは未搭載だった機能。アプリ開発の柔軟性を高める施策です。
このようにtvOS新バージョンは、Siriやシングルサインオンなど、多数のテレビ番組を楽しむユーザーに嬉しい機能強化が図られたバージョンと呼べそうです。