WWDC 2016より。アップルがiOS 10を発表しました。目玉はSiriをサードパーティアプリに開放したところ。ほか、ホーム画面の3Dタッチ対応、写真はシープラーニングによりiOSが自動的に顔や背景を認識してカテゴリー分けするようになりました。さらにミュージックアプリはUIを改善、HomeKitは単体のアプリになりました。
iOS 10はデベロッパー・プレビュー版が本日より入手可能。パブリックベータは7月。今秋の公開予定です。対応デバイスはiPhone 5以降、iPad Air、iPad Proの各モデル。
1.ユーザーエクスペリエンスの向上
まずロック画面。持ちあげるだけでロック画面解除が可能になったほか、ロック画面に表示された通知を3D Touchでチェックしたり、メッセージに返信したりがかのうになりました。サードパーティアプリからロック画面に通知を出すこともできます。
2.Siriを開発者に開放
これまで純正アプリにしか対応していなかったSiriがサードパーティアプリからも利用可能になりました。APIはチャット/メッセージアプリ、RunKeeperなどのフィットネス系アプリ、Pinterestなどの写真アプリ、通話アプリなどあらゆるアプリに対応します。
3.QuickType(Siriによるテキスト入力補間)
メッセージなどのテキスト入力において、Siriがユーザーの入力候補を自動的に提示します。これにより面倒なスクリーンキーボードの入力が大幅に簡単になりそうです。QuickTypeはディープラーニングを用いており、同様の機能はFacebookも発表していました。
4.写真(Photo)アプリ
写真アプリにもディープラーニングを持ち込み、顔や背景など認識、自動的にカテゴリーわけが可能になりました。また、自動的にMemoriesと称するタブを生成し、写真および撮影した動画からダイジェスト的な動画を自動で編集、生成します。BGMはムード設定で変更が可能。全体的にGoogleフォトが備える特徴に似通った新機能が追加されました。
・iOS 10の写真アプリは自動アルバム作成機能搭載。顔や背景、場所を元にタイトルを生成、動画アルバムではムード設定も可能
5.マップ(Maps)アプリ
地図アプリも大幅に変わります。たとえばスケジュールから移動すべき場所を指し示したり、レストランの検索結果からイタリアンやシーフードといった細かい条件でフィルタリング表示が可能になりました。さらにナビゲーション機能も更新され、リアルタイムな交通情報も取得するように。またマップデータは開発者に公開され、独自のマップアプリを作ることができるようになります。
6.ミュージック(Music)アプリ
ミュージックアプリはUIが大幅に刷新されました。直感的でシンプルになったとはエディ・キューの弁。一番使いやすいところに音楽の操作UIを配置。
7.ニュース(News)アプリ
ニュースアプリには定期購読オプション、ニュース速報の通知機能などが追加されました。ただ、ニュースアプリは日本ではまだ使えません。
8.HomeKitがHomeアプリに
スマートホームを実現するHomeKitには多数のメーカーが参入を発表済みで、いくつか対応製品もでています。いままではそれらを各メーカーが自前のアプリで制御していましたが、結局種類が増えるとアプリも増えてしまうことになるため、Homeアプリだけですべての製品をカバーするようになりました。
Homeアプリでは、たとえば「おやすみ」ボタンを押すだけで家中の照明を落とすといった芸当も可能になります。またSiriから音声で指示をすることもできます。さらにIPカメラに来客が移れば映像を表示したり、ガレージや門の開閉も(機器側が対応していれば)可能です。
9.電話機能の改善
Siriがボイスメール、留守番電話を自動でテキストに書き起こします。また、VoIP API によって迷惑電話などを自動的に判断してロック画面に表示も可能に。
10.メッセージアプリの強化
メッセージアプリでは、絵文字の表現をより豊かにするために、大きさを3倍で表示することができるようになります。文字で入力したものを絵文字に変換したり、フキダシのエフェクトや手書きメッセージ機能その他いろいろな効果が追加されました。
なお、メッセージアプリも開発者に開放され、支払い機能の追加やLINEのようなステッカーを配布することも可能になります。
(更新中)