＜男児２人死亡＞母親逮捕「首を絞めた」　福岡・八女

事件の車がとまっていたとみられる道路＝福岡県八女市立花町で２０１６年６月８日午前１１時４３分、中村清雅撮影

　福岡県八女市で車内に男児２人の遺体を積んでいたとして、県警は８日、母親で山口県光市室積３、無職、中下麻子容疑者（３６）を死体遺棄容疑で逮捕した。「死ぬ場所を探していた」と容疑を認めた上で「２人の首を絞めた」「一緒に死のうと思った」という趣旨の供述をしているという。県警は無理心中を図ろうとしたとみて殺人容疑も念頭に調べる。

　逮捕容疑は８日午前６時半ごろ、八女市立花町谷川の市道で、運転する乗用車に長男の小学６年、龍之介さん（１１）と次男結弦（ゆづる）ちゃん（３）の遺体を乗せて遺棄したとしている。

　県警によると、中下容疑者の親族が７日夜に３人がいないことに気付き、８日未明に山口県警光署に行方不明者届を提出。パトカーで巡回中の福岡県警八女署員が中下容疑者の車を見つけ、職務質問したところ、車内で２人の遺体を見つけた。２人の遺体の首には絞められたような痕があり、県警は９日、２人を司法解剖して死因を特定する方針。

　龍之介さんが通う光市の山口大付属光小学校によると、龍之介さんは７日は通常通り登校。８日朝に父親から「福岡県警から連絡があり、子供が亡くなったようだ」と同小に電話があったという。

　同小では週１回、生活アンケートを実施して悩み事がないかを児童に聞くが、先週の龍之介さんの記述に変わった様子はなかったという。中野一法（かずのり）・主幹教諭は「休み時間にはグラウンドで友達とサッカーをするなど元気だった」と声を落とした。【宗岡敬介、林壮一郎、土田暁彦】