挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
タイムトラブル! 作者:栗原雪

第一章 SENGOKU period

8/9

平和と犠牲

今川軍に襲撃する織田軍。
今川軍は織田軍を見ると青ざめた。
天候のせいで、迫ってくる敵に気付かなかったのだった。

「奇天烈おとめ! おぬしは見るでない。 わしが良いと言うまで、目をつぶっていろ。」
おとめは言われたとおり、しっかりと目をつぶり、顔を信長の背中につけ、がっちりと摑まった。

なんだか、周りが騒がしい。
「うおおおお!!」だとか、「うわあああああ!!」 と、言った声が聞こえる。
(怖い・・・)
体も震えてきた。

すると、周りの声がだんだん小さくなっていった。
「もういいぞ。」
信長は馬から降りると、手を伸ばしおとめを下ろした。
「おとめ、大丈夫か?」
声が出ない。
安心したのか、涙が頬をつたう。
「おい?」
体が震える。

信長はそっとおとめを抱きしめた。
涙が止まらない。
「怖い・・・」
嗚咽混じりの声。
だんだんと落ち着きを取り戻した。

「信長様~ 敵大将、今川義元の首を討ち取りました!」
お互い体を離した。
「そうか。よくやった!!」
「ありがたきお言葉。」
「城へ戻るぞ。」
「はは。」と、言うと武士は去っていった。

「おとめ、戻れるか?」
「うん。大丈夫。」
そう言うと、馬に乗ってみんなのいるところに戻った。

城内にて、
「織田軍の勝利を祝して、乾杯~」
「乾杯~」
勝利の宴が開かれた。
(お酒飲めないし、月でも見るか。)


「『世を平和にするためには誰かが犠牲にならなくてはいけないのだ。』か・・・。」
(あの表情の意味が少し分かったかもしれない・・・)
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ