挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
タイムトラブル! 作者:栗原雪

第一章 SENGOKU period

6/9

哀愁

(信長が殺した・・・?)

信長が部屋から出て来るのが見えた。
「・・・。」
「・・・。」
お互い視線が合ったが、無言が続く。

沈黙を破るように信長がこっちに向かってきた。
「今日の月夜は真に美しゅうのう・・・」
「え・・・」
信長は縁側に座った。
「すまんな。」
「ううん。私のために宴を開いてくれて、ありがとう。」
おとめも座る。
「・・・。」
沈黙は続く。

「殺したの?」
声が震える。
「ああ。」
「何で? そんなことしなくたって____ 」
「こうするしか無かったのだ。 
 戦国の世とは、裏切り・怒り・恨みが渦巻いて、戦いを引き起こす。 
 だから、世を平和にするためには誰かが犠牲にならなくてはいけないのだ。」

その表情は、悲しみ・無常観・人の愚かさを悟ったようなものだった・・・。

「信長様ーーー!! 大変でございます。 駿河の国の今川義元が、
 我が尾張の国に侵攻してきた模様です。」
「敵の数は?」
「4万人とのことです。 尾張の国では5000人程度が限界かと・・・」
「出陣するぞ。」
「ははっ」

「おとめ、どうする? 来るか、来ないかは、己の心で決めるのだ!」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ