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2016-06-13 パワー・オブ・ドリーム

昨日のエントリの続きです。
女性をAVに出演させた疑い、プロダクション社長逮捕:朝日新聞デジタル
アダルトビデオ(AV)に出演させ、公衆道徳上、有害な業務に就かせたとして、警視庁が、AVプロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の50代の社長ら3人を労働者派遣法違反(有害業務就労目的派遣)の疑いで逮捕したことが分かった。
保安課によると、逮捕されたのは同社の社長のほか、40代の元社長、30代の社員の男。逮捕容疑は2013年9月ごろ、同社に所属する20代の女性をAV制作会社に派遣し、公衆衛生上、有害であるAV出演業務に就かせたというもの。
女性は09年ごろ、「グラビアモデルの仕事ができる」と説明され、同社に入ったが、AVに出演する契約書に署名させられ、女性が契約の解除を求めたところ、「親に請求書を送る」などと言われ、解除に応じなかった。女性はAVに出演したが、警視庁に昨秋、被害を相談。同庁は今年5月下旬、同社やAVメーカーを家宅捜索し、捜査を進めていた。
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は今年3月、AV出演をめぐる被害相談が3年ほどの間に72件寄せられたと発表。十分な説明なしにAVに出演する契約を結ばせ、断ろうとすると「違約金」を要求して出演を強要する事例が多いという。また、出演者が著作権などの権利を放棄する内容の契約が大半で、AVを制作するメーカーは自由に二次利用、三次利用ができ、販売が止められない構造になっているという。
今回、プロダクション社長らが逮捕された容疑は「労働者派遣法違反」であり、強要罪でも脅迫罪でもなく、公然わいせつでもわいせつ図画販売でも売春防止法違反でもなく、まして強姦でも強制わいせつでもない、というのがキモです。
つまり、ヒューマンライツ・ナウの報告書に疑義を呈している川奈まり子もツイッターで指摘していたように、AV女優はプロダクションと業務請負契約を結んだ個人事業主であるにも関わらず、実態はプロダクションの指揮下にある労働者として扱われている、というのが問題なんですね。
この件では、マークスグループに所属している女優さんたちがツイッター上にてそれぞれ強く抗議していますが、どの人も業界の論理を前面に出しています。しかし、その業界の論理そのものが法律にそぐわない内容になっているので、その抗議が正当とはとても言えません。
ましてや、抗議の内容が偏見や差別と戦う方向ではなく、告発した女性への中傷になっているのは、あまりにもひどい現状です。
- 初美沙希さんのツイート
マークスジャパン元社長が女性をAV撮影に派遣して逮捕された件 - Togetterまとめ
今回の件、色々知ってます…(過去のことも)
— 初美沙希 (さきっぽ) (@saki_hatsumi) 2016年6月12日
現役時代やる気満々に活動してたある一人の元女優が辞めた後、今の彼氏に「あの時は無理矢理やらされてただけなの!」って変な言い訳したら、その彼氏が「なら警察行って作品消させろ!」って騒いで。警察もそれ知ってるはず。少なくとも、この件の真相。
一部の外部の人がその元女優を上手く利用して今こうなってる。問題もあるとは思いますが、少なくとも「この件」に関してはそんな感じです。
— 初美沙希 (さきっぽ) (@saki_hatsumi) 2016年6月12日
悲しい。残って自分の意志で活動してる女優がいるわけで。
個人への攻撃になっちゃうのでこれ以上は言いません。いろいろと察してくださるとありがたいです。
もし芸名言えば、知ってる皆さんは
— 初美沙希 (さきっぽ) (@saki_hatsumi) 2016年6月12日
「強要?嘘でしょ?!あの娘なんて超楽しんで女優やってたのすごい有名じゃん!」
って全員思うはずです。。
出しませんけど。
マネージャーも私も泣いたよ。悔しくて。個人の勝手な都合でそんな。。
この件に関してはそういうことです。
言う役割、終わり!
- 湊莉久さんのツイート
呟きます。
— 湊 莉久 (@riku_minato) 2016年6月12日
事務所の件で色々騒がれてますが、私が今言えるのは、
私はマークスグループが大好きで、
事務所のみんなも大好きで、
感謝してもしきれない程の恩を感じている、という事だけです。
信じて、と言い辛い状況なのは理解していますが、どうか今は少しだけ支えて下さい。
お願いします。
悔しいです、本当に。
— 湊 莉久 (@riku_minato) 2016年6月12日
大切な人達なんです。
報道が全てだと思わないで。
まぁ、社長が逮捕されたら所属女優たちはこう言うしかないだろうなとは思いますが、「無理矢理やらされた、という人もいるけど私たちは頑張ってやってます!」と言われても「おめえはそれでいいや」としか返答しようがないですよね。
「個人への攻撃になっちゃうのでこれ以上は言いません」って、もうなってるよ!
「裏切り者は許さない」という、『キル・ビル』の殺し屋たちみたいなアティテュードを感じないでもない。
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別の女優さんは、ツイキャスで告発者の実名を暴露するという暴挙にまで及んでいるそうなので、この子たちの言動にまで強い批判が集まるのは避けられないだろうなあ。大好きな子たちなのでとても悲しいですよワスは。
「楽しそうにやってた」「無理矢理のはずがない」という、多くの女優さんからの意見については、自分のプロダクションを自ら運営している香西咲さんの、このツイートがいちばん腑に落ちました。
一般の皆様にお伝えしたい事。
— 香西咲@女性専用アカウント開設しました♡ (@kouzaisaki) 2016年6月12日
これを機に『騙される方が悪い』と言う風潮やめて頂きたいですね。
素人の常識なんて簡単に覆されます。
『気を付けて』って言うわれて気を付けられるレベルではありません。
相手はプロ。何枚も何枚も上手をいってきます。
もちろん自発的に頑張ってる人もいます。
— 香西咲@女性専用アカウント開設しました♡ (@kouzaisaki) 2016年6月12日
但しその『自発的』か『強要』かは他人から見たら解り得ない世界です。
友達でも家族でも。本人しか解り得ません。
それにしても、「社長が強要をめぐるトラブルで逮捕されてしまい、団体のエースがその裏事情を明かしてファンの理解を得ようとする」という構図はどこかで見た記憶があるなあ。
そうだ! 第一次UWFの浦田昇社長(2014年に死去)が、佐山聡の移籍をめぐるトラブルで、佐山のマネージャーと称するショウジ・コンチャへの強要罪で逮捕されたときの前田日明だ!
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というわけで、諸悪の根源は佐山聡であることが判明いたしました(してません)。やはり精神的なものを鍛え、国体を復活させる方が先ですよね!