アベノミクスの危機には、この20年における政策失敗の歴史がそのまま反映されている。バブル崩壊直後の1990年代、日本では「デフレが深刻なのに政府は何をやっているのか」と政界などからの圧力が強まり、政府は100兆円という巨額の財政出動を行った。にもかかわらず、98年には日本の経済成長率は戦後最悪のマイナス2%まで下落した。
財政政策で効果が出ないとなるや、非難の矛先は日銀に向かった。「政府がこれほどがんばったのに日銀は何をやっているのか」と政界から批判が相次ぎ、ついに日銀は2001年、民間銀行の保有国債を買い入れる形で市場にどんどん資金を供給し始めた。アベノミクスも、ただその延長線上にあるだけだ。政府と中央銀行が乗り出して必死にあれこれしたものの、結局残ったのは日本国債という「時限爆弾」だ。
日本のケースは、韓国にも教訓となるところが少なくない。政府が税金をつぎ込んだり、政界が独立機関である中央銀行に圧力をかけて資金を供給したりしても対症療法にすぎず、産業構造を変えて効率と競争力を高めなければ結局はどんな薬も効果はない。この20年間の日本の失敗は、全ての韓国国民が痛みに耐える覚悟を持って構造調整に臨まねばならないということを教えてくれる。