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「仕事が遅すぎる人」に共通する残念な考え方

東洋経済オンライン 6月13日(月)6時0分配信

「今日も残業だ」「仕事が終わらない」「また先送りしてしまった」――。日々このような悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくないでしょう。一方、いつも時間に縛られている人も、正しい時間術を身に付ければ理想的な仕事はできるようになります。
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』(文響社)の著者で、パソコンの「ドラッグ&ドロップ」や「ダブルクリック」を現在の形にした元マイクロソフト伝説のプログラマー、中島聡さんが解説します。■ 最初から細部を突き詰めるのは危険

 コンピュータのプログラムに潜む誤りであるバグを多少無視して、とりあえず大枠を作ったものを「プロトタイプ(試作品)」と言います。これはプログラムの話に限らず一般的な仕事においても応用できる、より抽象的な概念です。会社の企画を任されたときにプロトタイプを作ると、全体のイメージが固まります。イメージが固まっていると上司もプロジェクトの進行を理解しやすいので、企画が通りやすくなります。また、何より自分自身がプロジェクトを進行するときに、仕事がやりやすくなります。

 プログラムに限らず、大抵の仕事の全体図は、実際にやってみないと描けません。企画書という紙の上だけで考えても大体思ったとおりになることはないのです。みなさんもそういう経験がおありでしょう。ですからプロトタイプの作成に速やかに入り、ある程度まで作ったうえで、どのくらいの難易度かを考えつつ仕事を進めていくのが賢いやり方です。

 プロトタイプを作らず愚直に細部を突き詰めていった場合、締め切り間際になって「ここは設計から作り直さなければならない」という事実に気づくことがあります。そうなると危険です。締め切り間際では、大枠の設計を変更する時間もないので、完成品はろくでもないものになります。

 一方プロトタイプを作っていると、「ここは作り直さなければならない」という事実を早期に発見できます。そうしたら設計図を作り直せばいいのです。プロトタイプを作っている段階ならば、いくらでも直しが効きます。

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最終更新:6月13日(月)14時0分

東洋経済オンライン

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