所属する女性モデルを実際の性行為を含むアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣したとして、警視庁が労働者派遣法違反の疑いで、芸能プロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の40代の元社長ら3人を逮捕していたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。逮捕は11日付。女優との契約のあり方に大きな影響を与える事件だけに、AV業界に激震が走っている。

 逮捕容疑は13年9月、同社に当時所属していた20代の女性を撮影業者に派遣し、性行為を含むAVに出演させた疑い。女性側は、出演同意書は事前にきちんとした説明がなく無効で、出演は強制されたとしている。

 捜査関係者によると、女性は2009年にモデルとして同社と契約。その後、AVへの出演を迫られ、拒否すると「契約違反だ。違約金を払え」「親に請求する」などと言われ、14年に契約を解除するまで、複数の作品に出演させられた。あどけない顔と、Eカップ88センチの巨乳などで人気。関係者によると「総集編も含め、500作品以上に出演している」という。

 女性が事務所を辞めた後の昨年秋、警視庁に「出演を強要された」と相談。同庁は5月下旬、同社や撮影業者などを家宅捜索し、出演作品の台本などを押収していた。

 周囲では「女性は辞めた後も事務所に“男性からのDVに悩んでいる”と相談しに来ていたようで関係者は困惑しているようです」との声もある。女性からの訴えがあり事務所は女性側の弁護士と話し合いを続けてきた。

 労働者派遣法は「公衆道徳上有害な業務」への派遣を規制しており、実際の性行為を含むAVへの出演がこれにあたる可能性がある。