米ゲイクラブ銃撃、大音量の音楽とストロボライト…そして銃声
2016年06月13日 12:10 発信地:オーランド/米国
このニュースをシェア
関連写真
【6月13日 AFP】米フロリダ(Florida)州の同性愛者向けナイトクラブ「パルス(Pulse)」では、土曜の夜ともなれば、騒々しく熱気にあふれたらんちき騒ぎが明け方まで繰り広げられるのが当たり前となっている。
ストロボライトが光り、音楽が鳴り響くこの人気クラブは、フロリダで最も熱いパーティーが行われる場所の一つだ。この場所で、米国史上最悪の銃撃事件が発生し、50人が死亡、53人が負傷した。
クラブに銃声が響き渡ったのは、午前2時ごろ。パーティーが最高潮に達していた時で、人々の歓声と躍動的なビートにかき消されて、ほとんどの人がそれに気づかなかった。ある客は、ドラムの音のようだったと話している。
クリストファー・ハンソン(Christopher Hanson)さんは当初、一定のリズムで鳴り響く大きな音を音楽の一部だと思っていたという。しかし、「その音がやたらと多く聞こえるようになった。バン、バン、バンと鳴っていた」ため、銃声と気づいたという。
「人が次々と倒れていくのを見た。僕はバーで飲み物を注文していたが、体を低くし、外に這い出た。人々は裏口から逃げようとしていた」と米CNNテレビに語ったハンソンさん。銃撃犯は見ていないと付け足し、「通りの反対側に行ってみると、人や血痕があちこちに見えた」と当時の様子を振り返った。
同クラブの常連客にとって、今回の事件は全く思いも寄らぬ出来事だったため、周囲で友人や恋人が次々に倒れていく様子を目の当たりにしても、すぐに状況を理解することができなかった。
ジャニエル・ゴンザレス(Janiel Gonzalez)さんはAFPに対し、「完全にカオスと化していた。もし何かに例えるとすれば、映画のワンシーンのようだった」と語った。また、「『助けて、助けて、閉じ込められてしまった』と叫ぶ人々や、踏みつけられる人々もいた。クラブには出口がはっきりと表示されていなかったので、どのドアを通ればいいか、どこに行けばいいかわからなかった」と付け足した。
一部の人々は米メディアに対し、建物の正面から這って外に出たと話している。また裏口から走り出た人々や、窓から這い出た人々もいる。
しかし大半の人々は、脱出することができず、クラブのトイレに逃げ込んだ人たちもいたと報じられている。
「われわれは彼を探していた」――銃撃犯はその後、多数の常連客を人質にとってクラブに立てこもった。
こう着状態が3時間以上続いた後、警察が装甲車両を使って建物の一部に突入。銃撃犯は銃弾を浴びて死亡した。(c)AFP/Federica NARANCIO with Stephanie GRIFFITH in Washington