オバマ大統領 動機などの解明に全力挙げる

オバマ大統領 動機などの解明に全力挙げる
アメリカ南部フロリダ州のナイトクラブで起きた銃の乱射事件についてオバマ大統領は「テロ行為であり憎悪による行為だ」と述べて強く非難し、動機などの解明に全力を挙げる考えを示しました。
オバマ大統領は12日、ホワイトハウスで記者会見し、アメリカ南部フロリダ州のナイトクラブで起きた銃の乱射事件について「われわれは残忍で、恐ろしい事件に深く悲しんでいる。特に、同性愛者などにとって胸が張り裂けるような日となった」と述べ、犠牲者に哀悼の意を表しました。
そのうえで「これはテロ行為であり、憎悪による行為だ」と述べて、強く非難するとともに、「FBI=連邦捜査局がテロ事件として捜査しており、テロ組織とつながりがあったのかどうか明らかにしなければならない。はっきりしているのは容疑者が憎悪に満ちていたことだ」と指摘し、動機などの解明に全力を挙げる考えを示しました。
また、「アメリカの歴史上、最も死者が出た銃撃事件だ。いかに武器が手に入りやすいかを思い出させた」と述べ、銃規制の必要性も訴えました。そして「われわれは恐怖に屈することなく、国民を守り、国を防衛するため結束する」と強調しました。

ホワイトハウスなどに半旗を

オバマ大統領は犠牲者に哀悼の意を表すため、今月16日の日没までの間、ホワイトハウスや全米の政府機関、それにアメリカ海軍の艦船などに半旗を掲げるよう指示しました。

オバマ大統領 銃規制の取り組み

オバマ大統領は就任以来「銃規制の強化」を目指す姿勢を示してきました。
特に、2012年に東部コネティカット州の小学校で男が銃を乱射し、児童ら26人が犠牲になると、銃規制の強化を求める声が高まり、オバマ大統領は2期目の最重要課題の1つとして銃規制を挙げました。
そして、オバマ大統領は2013年に銃規制の強化を議会に求め、購入者の犯罪歴の調査をそれまでの銃の販売店だけでなく、インターネットを通じた販売にも義務づけることなどを盛り込んだ法案が審議されましたが、野党・共和党などの反対で否決されました。
その後も銃を使った凶悪事件があとを絶たず、オバマ大統領は繰り返し銃規制強化の必要性を訴えてきましたが、思うように進みませんでした。
このためオバマ大統領はことし1月、議会の承認を必要としない大統領権限を使ってインターネットなどを通じて銃を販売する業者にも、免許の取得や購入者の審査を義務づけるよう銃規制を強化する対策を発表しました。
銃規制を巡っては、銃の乱射事件が起きるたびに議論がわき起こってきましたが、アメリカ最大のロビー団体の1つとされ、共和党の有力な支持基盤でもある全米ライフル協会が強く反対するなど賛否が分かれ、規制の強化は思うように進んでいません。