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アジア安保会議で日米印が急接近

日本は米印の「かすがい」に

2016年6月13日(月)

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 安全保障について少し詳しい人ならシャングリラ会議という名前を聞いたことがあるかもしれない。正式にはアジア安全保障会議(Asia Security Summit)という。世界各国の国防大臣などが毎年、シンガポールに集まり、アジアの安全保障について意見交換をする場である。2014年には安倍晋三首相も参加した。筆者も初めて招待されたので、心から喜んで参加し、インドの国防大臣に質問する機会も得た(写真1、注1)。

 そこで本稿では、会議において何が焦点になったのか、特に日米印の急速な接近に焦点をおき、日本にとっての意味について報告する。

写真1:シャングリラ会議にて(筆者がバングラデシュの研究者に頼んで撮影したもの)

(注1)会議のビデオおよび議事録は以下のこちら

日米印3か国の協力関係が際立った

 今年の会議は6月3~5日に開かれた。焦点は3つ。1つ目は、米国が中国に対し国際ルールに従うよう要求し、中国が激しく反論した点である。

 アシュトン・カーター米国防長官は、以下の点を強調した。

  • 米国はまだ軍事的に強く、地域で重要な存在であること
  • ルールを定め、そのルールの違反者は取り締まるシステムを米国が主導して構築しようとしていること
  • 中国が南シナ海で進めている人工島の建設はルール違反であること

 そのうえで、中国に対し、南シナ海の問題を国際法廷で解決しようとするフィリピンの努力に応じるよう求めた。これに対し中国側は、問題が軍事化しているのは米国のせいだと強調するとともに、フィリピンを激しく非難した。

 2つ目はロシアが米国を非難したことである。北朝鮮の核ミサイルを迎撃するために、米国は韓国においてミサイル防衛システムの配備を進めている。この米国の動きに中国は強く反対。ロシアも、中国のこの立場を支持してミサイル防衛反対を唱えた。ロシアの態度は、昨今進むロシアと中国の安全保障上の接近を示している点で興味深い。

 そして、3つ目が本題だ。今回の会合の焦点は日米印3か国の協力関係が特に際立った。これは注目すべき動きだ。このシャングリラ会議は15年目を迎えるのだが、これまでインドにはあまり焦点が当たってこなかった。ところが今年は、インドの国防大臣が出席。日米や東南アジア諸国の国防大臣たちもインドの役割について再三言及し、インドが注目を集める会合となった。

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「アジア安保会議で日米印が急接近」の著者

長尾 賢

長尾 賢(ながお・さとる)

東京財団研究員

2001年、学習院大卒。自衛隊、外務省勤務後、学習院大学大学院でインドの軍事戦略を研究、博士取得。現在、東京財団と日本戦略研究フォーラムの研究員、学習院大学非常勤講師。専門は安全保障、インド

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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