「副業」のメリットとデメリットについて

「副業」のメリットとデメリットについて

  • ライフハッカー[日本版]
  • 更新日:2016/06/12
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今回はサラリーマンの「副業」について取り上げます。以下、サイボウズ株式会社のオウンドメディア「サイボウズ式」のこちらの記事より転載いたします。

新しい「副業」のかたち

会社員をしながら、週末や空いた時間で違う仕事をする人が増えているそうです。このコラムを掲載していただいている「サイボウズ式」の運営会社であるサイボウズ社でも、副業を許可しているとのこと。

ここで言われている「副業」は、それまでのイメージとは少し異なる印象です。本業で足りない分の所得を増やすというよりは、「会社」にしばられずさまざまな「仕事」を手掛けることを指しており、「内職」や「ダブルワーク」とはまた違ったとらえ方みたいですね。

「本業は会社員、副業でコラム執筆」の経験から気づいたこと

わたし自身も、本業では会社員です。

20代をがむしゃらに働き、ある程度の結果や経験を通じて得た知見をまとめようと、自分のブログで働き方や仕事の仕方について、考えていたことを書き始めました。ありがたいことに、書いた記事を少なくない数の人に読んでもらうことができ、それをきっかけにして、こうしたコラムを執筆する機会をもらいました。

本業と並行して引き受けるにあたり、もっとも懸念したのは執筆の時間を作れるだろうか? という点でした。漫然と仕事をしていると、平日の夜や土日はあっという間に終わってしまいます。そのために、先を見越した予定管理をするようになりました。

プロジェクトがいそがしくなるタイミングや、個人的な予定も踏まえ、自分の体力や体調を整える時間も確保するとなると、必然的に優先順位が決まっていきます。付き合いで顔を出すだけの飲み会や気の進まない人との食事などは、どんどん断るようになりました。

つまり、優先度の判断と、工数の適切な割り振りを公私またいで行うようになってきたことで、休むときは休み、働くときは思い切り働く、というワークスタイルをとれるようになりました。

また、こうして仕事にまつわるコラムを書くというのは、本業で得た知見をより多くの人に伝え役立ててもらうためであるのと同時に、そのリアクションや書いていく過程で気付いたことを本業にフィードバックする、という相乗効果も生まれています。

副業に寛容な会社はまだめずらしいかと思いますが、前述のように複数の仕事に携わることで所得を増やすだけでなく、生産性や管理能力の向上も期待できるのではと思います。またこうした経験を通じて人脈が広がり、「最悪、会社がつぶれてもなんとかなる」と思えるようになりました。そうなると、「仕事をイヤイヤやる」ということが減り、健全な気持ちで本業に取り組めるようになりました。

こうしたことを踏まえると、 年功賃金や終身雇用が幻想となりつつある時代に、「副業」というか「複業」が推奨されるのも、当然の流れではないかと感じます。

本当に「いいことずくめ」なのか?

よいことばかりのように感じられる「副業」ですが、本当にどんな人にとっても推奨されるべきことでしょうか? 実はわたしはそうは思っていません。

この空気が加速していきそうな気配を感じたとき、不安に思ったは「本業との両立」をできる人がどのくらいいるのだろう?ということです。

多くの企業が副業を禁止しているのも、この点の懸念が拭い切れないのかもしれません。新しく始めたこと、不慣れなことというのは、どうしてもある程度の時間を割く必要があります。習熟に「コツ」はありますが、一定量の時間も必要で、バランスが取れるようになるまでは、しっかりと自律しなければいけません。

これは個人的な感覚ですが、もし自分が20代でこの状況に立ったとき、前述のようにバランスよく、本業と副業の時間を振り分けることができただろうかと考えると、正直難しかったと思います。わたしが執筆の仕事をはじめてもっとも手こずったのは、「自分の時間や精神状態を完全にコントロールすること」でした。もちろんビジネスマンとしてのキャリアが浅い人でも、きちっとコントロールできる人はいると思うのですが、個人的には、ここが一番苦しかった。

原因は、2つあったと思っています。

まず、慣れるまでの時間が必要だったこと。締切がしっかりと決まり、決められた条件を満たすように構成した文章を書き、見直して納品するというのは初めての経験で、まったくつかめなかった。それまでは書きたいものを書きたいように書いていたからです。

もう1つは、その慣れない作業の進行の読みが甘かったこと。思わぬリテイクや企画の変更もありました。また突然、短い期限の依頼が来ることもあり、どこまでなら受けられるか、断るべきかの判断基準が持てていませんでした。

とはいえ、両方が破綻せずなんとか軌道に乗ったのは、それまで培ってきたプロジェクトマネジメントの経験があったおかげでした。そしてその経験を通じて、仕事を受けるときに「今、本業で磨こうをしているスキルとの相乗効果が産めるかどうか」を判断基準の1つに持とうと思ったのです。

キャリアのフェーズに合わせて考えよう

基本的なスタンスとして、「複業」はメリットが多いと実感しています。

とはいえ、それは自分自身に柱となるスキルがあってこそ、なのではないでしょうか。やみくもに複数の仕事をもつというのは、若い世代にとっては逆に視点の拡散を招いてしまい、目の前の仕事に向き合う熱量が分散してしまう。時間は有限です。その中で、まだ柱となるスキルがないうちからあれもこれも、と追ってしまうと、結果的に二兎をも得ない状態を招きかねない。

うまくいかないぞと思ったとき、それまで得た知識や技術を用いて壁を突破して初めて次のフェーズに移ることができるのです。目先の興味に引っ張られてあれもこれもとかじってしまい、結果「何のプロだかわからない」という人にならないよう、まずは自分のキャリアプランを考えてみるべきなのではと思います。

また、いたずらに所得アップだけを目指して時間消費型の副業に手を出すのも、最終的なメリットを損ないかねません。「時間」を投資して得るのが「現金」になってしまうと、短期的な利益にしかなりません。

特に若い世代にとって、もっとも投資するべきなのは、自分の技術や知識を増やすことです。それを資本としてより大きな所得につなげることこそが本質であり、自分の時間をそのまま現金化してしまうのは、長期的に見て、あまり得策ではないと思います。

自分の「今」そして「将来」を俯瞰で考えよう

まずは自分のキャリアの「柱」を考え、その柱を立てることを目標に複業も考えてみましょう。

その上で、会社外の人たちと働くことは、自分自身の技術を定型化するきっかけにもなります。つまり「会社の中で培ったスキル」の一般化を、ほかの環境を使って実行できるのです。

以前、あるNPOにボランティアとしてサポートで入ったときに、その感覚をつかめました。わたしはウェブ業界でのキャリアが長く、彼らは逆にウェブの活用を苦手としていたことからマッチングされた縁でしたが、お互いの前提があまりにも違いすぎて、単語の共通認識の統一から入る必要があり、四苦八苦しました。逆にわたしも彼らが活用している制度や仕組みについて、まったくの無知だったので、さまざまな資料や記事を見せてもらいました。

そのチームにかかわったとき痛感したのは、社内でしか使えない言葉、社内でしか使わないツール、資料の作り方がうまくても、外部の人たちと効率的に働くことはできない。お互いの前提が違うことを当然として、よりシンプルに、より分かりやすく自分の仕事を相手に伝え、いっしょにチームワークを発揮する努力をすることが当たり前、というマインドを得ることができたのは、報酬よりもはるかに価値のある経験となりました。

価値観が変わっていくタイミングというのは、さまざまな意見が出てくるタイミングでもあります。肯定派、否定派、どちらの意見も見聞きして、あなた自身の今と将来をよりよいものにするために、今、どういう選択をしたらよいのか。ぜひじっくり考えてみて欲しいと思います。

今日はそんな感じです。
チャオ!

実はリスキー? 副業のススメにちょっと待った!| サイボウズ式

(はせおやさい)
Photo by PIXTA.

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