近しい人との別れの儀式「お葬式」。
お葬式は故人との最後のお別れをする場です。
一番重要な事それは故人を悼む思いですが、故人と遺族の前に参列する儀式には決まり事であるマナーがあります。
今回は、その葬儀の中で人が仏にむかう時に使う唯一の仏具といわれる「数珠」。
その扱い方また宗派ごとの違いや念じ方などや葬儀のマナーについてご説明します。
1.数珠の由来と購入について
ご家庭にはたいてい1本くらいは数珠があるものです。
この身近な数珠にはどんな由来があるのでしょうか。
1-1.数珠の由来
本来数珠は魔除けとして利用されていたものです。
仏教の元となったバラモン教で用いられ、日本には飛鳥時代に伝来した最も身近な仏具です。
数珠という言葉は文字通り多くの珠を意味します。
この言葉の由来と言われているものは、もともと仏教の教えでは人間の煩悩は108個あるといわれており、数珠の数もその煩悩の数を珠にたとえられて、108個の珠が連なっているものだったようです。
数珠を持つ意味はこの人間の煩悩108個を珠の数を数えながら念仏を唱え煩悩を消して仏にゆだねて悟りを開く、これが数珠を持つ由来だったようです。
仏教徒は数珠をもちキリスト教徒は数珠のかわりにロザリオを持ちます。神聖な宗教道具の一つと言えるでしょう。
1-2.お葬式には数珠は必要なの?
お葬式に参列するとお焼香をしますが、故人に向かい合掌するときに数珠を手にかけ焼香することが決まりとなっておりその為数珠が必要です。
本来数珠は、念仏を数えるときに使われるものでしたが現在は参列者でこの使い方をされている在家(一般信者)は少ないと思います。
しかし、よく数珠を知るとこの珠一つにも大きな意味があることがわかります。
必要な仏具とはいえ葬儀の場においての使い方を間違えないためにはちょっとしたこころ配りや知識が必要です。
たまに、急いで参列されたせいか焼香のときなど数珠がなく周りから借りるなどの方もお見かけしますがこれは非常に失礼な対応となります。
数珠は人の分身ともいわれてきた仏具であり、本来は一人一人がご自分の数珠を持つもので、身内であっても貸し借りはタブーです。
訃報を聞きすぐご挨拶をという場合で数珠を持っていない場合は仕方ないこととされていますが、通夜を経ての本葬では数珠無しはマナー違反となります。
それは、本葬は最低でも一晩以上経ち参列するのもある程度時間の余裕があからです。
ただ、まず前提として、不幸ごとはいつ起きるかわかりません。
そのた、え社会人になればマナーとして礼服と1本はご自分の宗派に適した数珠をお持ちになった方が葬儀に参列するときなど恥ずかしい思いをせずにすむので、まだお持ちになっていない方はご購入されることをオススメします。
実際、自分は何処でどのような数珠を購入したら良いかとお悩みの方も多いと思います。
数珠を選ぶ時最初に押さえていただきたいのはご自分の宗派についてです。
ご実家近くなら親御さんや親類にお尋ねになり先祖のお墓は何処か?また、何宗かおたずねになるのが1番早いです。
意外に戸惑うのが神道の方ですが、神道には数珠は不要です。
そして、ご自分の宗派が判明したら次はいよいよ数珠選びになります。
最近は、仏具店だけでなく、100円ショップやホームセンターでも簡単に数珠が変える時代となりました。
でも若い方など宗派ごとの違いや色や材質まで様々なものがありお一人で選ぶのが大変な時も有ると思います。
最初は、戸惑うことが多いと思いますので色々なアドバイスをいただける仏具店で購入されるのをお勧めします。
また、購入後の手入れも相談できるのが強みですね。
数珠は長く持つものです、珠が汚れや、また房がくたびれてきたときは仏具店に持ち込み相談しましょう。
糸の張り替えまた、新しい房に取り替えるなど宗派や数珠に相応しい対応をしていただけると思います。
2.数珠の失敗しない選び方について
数珠を購入するため仏具店に行かれて最初に聞かれるのは「お客様の宗派はどちらですか?」と「本連数珠」か「略式数珠」どちらにするのかを選択しなければなりません。
2-1.「本連数珠」「略式数珠」について
「本連数珠」とは1番目にすることが多い長い数珠のことです。
宗派によっては「二連数珠(念珠)」・「二輪数珠(念珠)」と表す場合もあります。
先に挙げたように珠数108個の数珠を「本連数珠」と呼びます。
基本的に手に二重にかけて用いる数珠のことでご自分の宗派ごとに形状が少しずつ特徴があります。
本来はご自分の宗派に沿った本連数珠を1本お持ちになれば良いものだと思います。
次に「略式数珠」とは本連数珠に対してその珠数のみ減らしたものです。
本連数珠が正式で略式は故人・ご遺族に対して失礼にあたるというものではありません。
珠数108個に対してその珠数の2分の1に当たる54個の数珠で作られる数珠に対して使われている名称です。
しかし、最近は珠数をもっと減らした「22珠」「20珠」「18珠」という略式数珠もあります。
これは男性用・女性用ともに言えることですが、珠数が多い数珠は概ねその作られる数珠の珠の大きさが小さく逆に珠数が少ない数珠は一つの珠が大ぶりの珠でお持ちになるようです。
参列にさいしては房を下にして片手にかけてお使いください。
2-2.男性用と女性用の違いについて
次は数珠を持つ場合の男女での違いです。
厳密には決まりなどはありませんが一般に男性用は一つ一つの珠が大玉で、それに比べて女性用は珠が小ぶりにできている程度で透明な「水晶」は男性・女性どちらでもお持ちになれます。
一般に男性用は「黒檀」など暗い色目の珠をもたれることが多いですが、絶対という決まりは厳密にはないものです。
ただ、数珠には房がついています。
その房のなかに「紐房」と呼ばれる、細い組紐のような房がついている数珠があります。
この「紐房」がついている数珠は男性用となっています。
2-3.数珠の材質について
数珠の珠は木製・石など様々な材質から作られています。
数珠の珠について最も尊ばれているのは「菩提樹」です。
これは、お釈迦様が菩提樹の下で悟りを得たという話からだと思われます。
ただ、「菩提樹」にこだわらず最近のパワーストーンの流行から貴石で数珠を作られる方も多く材質は持つ方のお好みで決められていいようです。
2-4.木製・石の数珠
木の材質は先にご紹介した「菩提樹」をはじめ黒檀、紫檀、白檀、つげなどが一般的です。
また、木製の珠をそのまま丸く加工するだけでなく珠に梵字など彫り物をして仕立てられる数珠もあります。
石の材質での主流は水晶・珊瑚・白珊瑚・瑪瑙・白瑪瑙・赤瑪瑙・オニキスなど割に昔から用いられているのがこれらですがその他には真珠やローズクオーツ女性のアクセサリー感覚で美しく仕立てられている数珠もあります。
3.数珠の珠についての基礎知識
数珠の珠についてその細かい部位一つにも意味があるものです。
主玉と呼ばれる連なる珠の他にも房や紐にも意味があります
3-1.数珠の珠について
本連数珠なら108個の珠を「主珠」(おもだま)と呼びます。
そしてこの「主珠」より一番大きい珠が「親珠」(おやだま)または「母珠」(もしゅ)となります。
この「親珠」は阿弥陀如来・釈迦如来を表してておりまた。「主珠」が連なる間に4つほど「主珠」より少し小さい珠を合わせてあります。
これが「四天珠」(してんだま)です。
一つの数珠の中に珠が四つ有れば「四天珠」(してんだま)で二つだと「二天珠」(にてんだま)略式数珠の場合はこの「二天珠」は省かれている場合もあります。
3-2.珠の形状と房について
珠について
珠の形状は、大きく3種類に分けられます。
・丸珠
一番に多く見られる、球形の珠。
・みかん珠
数珠に仕立てたときに、輪の大きさに対し珠を大きくするこができます。
果物のみかんの形になぞらえたもので、横から見ると丸珠をすこし横に広げ珠がみかんを並べているように見えるためこの様によばれています。
・平珠(そろばん珠)
みかん珠を少つぶした様なそろばんの珠に似ているためこの名がつきました。
ただし、この平珠は天台宗で主に使われる数珠ですが最近では、他の宗派でもいられています。
また、数珠は当然珠の中に紐を通して作られますが、この紐にも意味があるのをご存じでしたでしょうか?
この紐は「観音菩薩」を表すといわれています。
房について
数珠にはこのように珠の数から始まり多くの意味をもっているものですが数珠にかならずついている「房」にも種類があります。
厳密になると僧侶と檀家でも持つ色などに決まり事があったようですが、最近は、宗派ごとに決まり事があるだけのようですね。
丸い球形の梵天が付いた梵天房、切りっぱなしではなく手まりのように丸くかがったものをかがり梵天房とよびます。
一般的によくみられる形状のもので、切り房とも呼ばれますが数珠上部で束ねしたに向けて房を切って垂らす頭付き房
四本・六本・八本の紐を編んだ形の紐房(男性のみ)組紐のように細い房です。
ほとんどの場合正絹で仕立てられているものが多いです。
房はお好みで色や形状をお選びになることができます。
3-3.通夜と本葬また法事に持参する場合の数珠
通夜と本葬では持つ数珠も変えた方がいいのでしょうか?迷ったことはありませんか?
以前、僧侶様に伺ったところ通夜とはもともと本葬に参列できない事情のかたが参列するという位置づけとのことです。
また、通夜は逝去後1番最初に執り行われる葬儀です。
訃報を聞き駆けつけた方も来られるため、できれば礼服と数珠をもって参列すべきですが本葬より決まり事はややゆるめです。
「取り急ぎご挨拶をという」方もお通夜にはつきもの。
特に仕事関係での参列の場合は平服で参列はマナー違反ではありません。
持って行く数珠は決まりがありませんが、数珠さえあれば本葬での参列も平服で許されます。
おつきあいの広い営業職のかたは「数珠」を携行される方もおられるほど、こういう場合はやや小ぶりの「略式数珠」がいいかもしれません。
数珠の珠が傷まないように数珠袋に入れるのが望ましいです。
そして、お持ちになる数珠はあくまでご自分の宗派にそった数珠をお使いくださいね。
例えば禅宗曹洞宗の方が葬儀に参列するにあたり、故人が天台宗であっても持参するのはご自分の宗派である曹洞宗の数珠です。
亡くなられた方の宗派の数珠を持って行く必要はありません。
3-4.宗派ごとの数珠について
買うべきポイントや数珠についてご紹介してきましたが、1番肝心なことはご自分の宗派にかなった数珠をもたれる事です。
そこで、日本での主流宗派の数珠についてご紹介いたします。
*真言宗*
真言宗の数珠は振分(ふりわけ)珠数とも呼ばれています。
実はこの真言宗の数珠だけは他の宗派どこでも利用できる、便利な数珠と言えます。
真言宗の数珠は「本連数珠」を用いる場合が多く長い数珠を両手中指にかけて手の甲に房を垂らし数珠を手の中ですり合わせ念じるのが正式なようです。
*曹洞宗・臨済宗*
禅宗の曹洞宗と臨済宗は見た目ほとんど区別が有りません。
後年、見分ける為に曹洞宗の数珠には金属の輪が使われる様になりました。
やはり一般的には曹洞宗・臨済宗も「本連数珠」が多く、二重にして左手にかけ合掌します。
また、禅宗の寺では座禅修行が重視されこの曹洞宗・臨済宗以外の方も座禅のみ参加される方も多いと思います。
その場合はこの禅宗の数珠を持参されて座禅に臨まれるのがふさわしいでしょう。
*天台宗*
天台宗の数珠では珠の形が扁平な平玉(ミカンのような形)で特徴が有ります。
数珠の用い方としては両手人差し指と中指の間にかけてそのまま手を合わせる念じ方です。
一説には僧侶は「本連数珠」信徒(檀家)は「略式数珠」か「振分数珠」をもたれるという事もありますが、天台宗HPを拝見してもそのような決まり事を書いているわけではありませんのでこれは通説だろうと思われます。
*浄土宗*
浄土宗の数珠は、小さい輪の数珠をを一つに繋いだような形が特徴です。
これを「二連数珠」と呼ばれているようです。
浄土宗のHPによると最初は「本連数珠」を用いられていたのですが数珠を使い念仏を何万回もとなえるのが浄土宗の特徴で。頻繁に紐が切れるためこの「二連数珠」が考案されたようです。
数珠の手のかけ方は数珠を両手の親指に掛けて房を手前に自然に垂らします。
*浄土真宗*
この、浄土真宗の場合宗派の中では本願寺派(西)、真宗大谷派(東)、に別れており数珠も念じ方もこの二つの派の中で若干違いが有り,基本的には「本連数珠」を二重にして使われます。
しかし、房に違いがあり本願寺派では頭付撚房使われて、大谷派では切房がついています。
念じ方も本願寺派は数珠を親指にかけて房を下に垂らし、大谷派は房を左手の甲にかけて念じるという違いがあります。
3-5.数珠についてのまとめ
片手で持てるこの小さな数珠の細部に至るまで、このような意味や区別があることをご存じだったでしょうか?
主珠」(おもだま)は108個の煩悩を表し、また「親玉」(おやだま)は阿弥陀如来・釈迦如来に見立てられ「四天珠」(してんだま)は菩薩。
珠をつなぐ紐が「観音菩薩」という意味だったのです。
これより、数珠は葬儀になんとなく持って行くものという位置づけではなく重要な仏具であることがわかります。
4.数珠を用意した上で今度は葬儀参列するマナーについて
はじめて葬儀に参列することになった方も多いと思います。
参列する場合の順序や失敗しないお通夜・葬儀マナーってどんなものなのでしょうか?最初に通夜と葬儀の一連の流れをご説明します
4-1.通夜参列について
最初、亡くなられて行われる儀式はこの「お通夜」です。
故人のご家族や近しい方から急に訃報が届き参列することになったが、どんな流れで行われるのでしょうか?
通夜はその日か翌日の夜に行われますが葬儀は友引など六曜をみて日が決まります。
しかしこの「お通夜」は友引であっても関係なく行われます。
この通夜では前記ご紹介したとおり、訃報を聞き駆けつけるというかたも多いため時間の余裕が無ければ平服で数珠なしでも許されます。
また、参列は通夜・葬儀必ず両方でなければならないというものではありません。
親戚であっても通夜は距離的に遠く行けなく葬儀のみ参列という場合もあります。
仕事関係、近隣の方など通夜だけ・葬儀だけの方も多いです。
そして、どうしても通夜・葬儀共に参列できないときは弔電を送り香典を書留などで送ることになります。
会場では係の方のご指示がありますが祭壇に近い側が親族。
それから親戚・友人・仕事関係・近隣の方が後ろに着席されます早く来たからと言って近しいご親戚以外の方が最前列には着席しないようにしなければなりません。
司会者の挨拶が行われてその後、僧侶の読経から始まります。
30分あまりの読経の間に司会者より「手をお合わせください」「おときください」など指示がある場合があります。
そのときは、手にしている数珠を持ち合掌しましょう。
この合掌の方法・念じ方などは、それぞれの宗派にそったもので大丈夫です。
その後、焼香に移ります。
席から立ち、焼香する場までは左手に数珠を持ち焼香台に向かいます。
式場にもよりますが焼香台に向かい右手に近親者が座っていることが多いので軽くご遺族に一礼します。
そして、焼香台の前について軽く祭壇・故人に一礼し、左手に数珠右手で抹香を右手で一つまみつかんで額に軽く近づけるこれを2回。そして両手に数珠をかけて合掌します。
多くは、ご遺族がお通夜に来てくれた方に「通夜振舞い」を用意されています。
これはお通夜のあと参列者に感謝の意味を込めてご遺族が参列者に飲食を振る舞うことです。時間の余裕があれば参加されてご遺族と故人を偲ぶお話をしたり,ご挨拶をする場となります。
4-2.葬儀について
そして、通夜の次に行われるのがこの葬儀(本葬)です。
ご親戚や近しい間柄の方は必ず葬儀には参列されると思います。
参列のから出棺までをご説明しますと、
この、葬儀は友引を避けて日程が通夜後翌日や一両日に行われています。
昔は、自宅で葬儀をされる場合が多かったですが最近はセレモニーホールなど専門の式場を借りて行われる場合が多いです。
葬儀もおおよそ通夜と同じ順序で始まります。
僧侶入場から読経が始まり、焼香と続きます。
ただ、おおむね通夜より読経が長い場合が多いです。
曹洞宗などの禅宗では僧侶が死者を成仏する御仏の世に導く引導が渡されます。
通夜より焼香の回数が多い時もありますが、だいたい2回の宗派が多いですがやはりこのときも司会者より「合掌」などの指示があると思います。
その後、司会者より弔電の奉読・喪主よりの挨拶があります。
式場の方が目立たず供花よりお花をを抜きお盆に並べて、故人のとのお別れに棺のふたを開け故人の周りにそれぞれ一本ずつ棺の中に入れ献花をします。
静かに献花し数珠を持ち合掌しお別れをしてその後出棺となります。
これが、通夜と葬儀一連の大きな流れとなります。
4-3.葬儀に関しての服装のマナー
通夜と違いある程度時間の余裕があり行われるので身支度は必ず礼服です。
喪服・バック・靴下・ストッキングもすべて黒で着衣を整えて伺います、数珠もお持ちになり数珠袋などに入れて式場に入られると良いと思います。
ご注意願いたいのは細かいようですが、ベルト・バック・コートの材質です。
エナメル・革製品は着用しても問題ないのですがワニ皮など生き物(殺生)を連想させるものは通夜・葬儀参列には向きません。
目立つ・金・銀など光沢のあるバックルなども避けましょう。
また子供さんが参列する場合の服装のマナーは、小学生から高校生までは制服が礼装になります。
しかし、中には小学生以下や大学生また中高校生でも制服の無い学校もあるでしょう。
学生さんの参列時の服装マナーとしては黒があればベストですが、なくともインナーは白いブラウス・シャツ。
上衣は黒・濃紺・グレーなど控えめで地味な色味を選んであげてください。
子供さんの数珠も売っておりあるならご持参されるのがベストですが必須というものではありません。
4-4.香典・お斎・供花についてのマナー
「香典」いくら包めばいいのだろう?お悩みの方も多いと思います。
故人とご自分の立場からどのくらいなの?そんな疑問についてまとめました。
以下にあげた香典の金額はあくまで目安です。
香典は絶対これというものではなく親戚でもほとんどつきあいが無かったりなどという場合もありますのでご参考までにとお考えください
両親(義理も含む)・・・ 5万~10万
兄弟・姉妹・・・・・・・3万~5万
祖父母・・・・・・・・・2万~5万
その他親族・・・・・・・1万~3万
友人・・・・・・・・・・1万~3万
仕事関係・近隣・・・・・5千~1万
上記にあげた金額でも故人との間柄では多い・少ないなどお悩みは有ると思います。
の場合親族間や親しい友人同士などで金額を決める際に1番確実なのは親戚など古老にお尋ねするか同じ立場、たとえば従兄弟同士や甥姪同士または友人などと相談することです。
私事で大変恐縮ですが父が存命の時は、すべて父が記憶し管理しておりました。
数年前に従兄弟の誰それが亡くなったときはいくら包んだとか、うちの親が亡くなったとき香典はいくら貰ったとかなぜか全部覚えており、親戚で誰かが亡くなるとすぐ親戚一同から次々と連絡がきて父と相談しており、分家だから本家より多くださないなど皆で相談して金額を決めたものでした。
基本的には親戚だと貰った金額を返すというのがルールだと良く言っておりました。
これは一個人の家の話だけではなく、我が家は禅宗・曹洞宗ですが僧侶が父の幼なじみで親しくしていただいており、この僧侶にも香典の話を伺うとだいたいこのもらった金額を返すという話が多いと言われていました。
是非ご参考になさってください。
しかし、このような親戚が身近にいない方の方が多いでしょう。
その場合参考にする一つの方法が香典帳です。
香典帳とは何?と聞いたことが無い方も多いでしょうね。
地域によっては過去帳(先祖より亡くなられた方の記録)などにどの親族が亡くなったときいくら香典を包んだかを記録しているものです。
このようなものや一般の相場など考慮されてして金額を決められると思いますが、ご注意していただきたいのはご遺族から「お斎」についてくださいと頼まれたときです。
「お斎」とは葬儀のあとに供される飲食の振る舞いのことです。
一般に一人お膳がつくとその分を香典にプラスして包むのがマナーです。
わざわざ「お斎料」などと別に包む必要はありません。
親戚なら香典プラス1万位、その他の間柄でも5千円が目安でしょうか。
また、近しい親戚や仕事上で長年関わりが合った、親しくしていたご友人なら供花される場合もあるでしょう。
供花なさる場合は上記香典と「お斎」以外での出費となります、供花されるのであれば連絡が来た時点でご遺族に供花していいかこの点をしっかり確認しましょう。
大きなセレモニーホールなどでは事前に直接そのセレモニーホールに連絡すると間柄や予算に応じて供花の相談とその設置もお任せすることができます。
ご自宅で行われる場合は「日比谷花壇」「花キューピッド」などに電話やネットで相談すると設置まで供花の手配をしていただけると思います。
4-5.香典袋・袱紗について
香典袋を購入しようと思って店舗へ行くと様々なタイプの香典袋があります。
また、「袱紗」について色によっても用いられる場が違うことをご存じでしたか?
御香典・御霊前・御仏前などありますが厳密に言うと浄土真宗は御霊前ではなく御仏前がルールとのことですがご親戚ならともかくも、それ以外でのお立場の参列もあり、相手の宗派など不明の場合も多いはずです。
知らなくて出されたとしてもマナー違反にはならないと思います。
一般的に「御霊前」は仏教・キリスト教両方に利用できるので2,3枚備えておかれると、いざとき慌てずにすむようです。
香典の書き方などは以下の図を見てご参考にしてお書きください。
式場に入りすぐ記帳台があるので記帳された後に香典をお渡しします。
この場合礼装用バックからすぐに香典袋をださず「袱紗」(ふくさ)に包みバックに入れておいてください。
記帳をした後に受付の方の前で「袱紗」を広げて受付者の方からみて正面になるように渡します。
袱紗や数珠袋も祝儀・不祝儀によって使って良い色・不適切な色があります。
祝儀・・・・赤色・朱色・オレンジ・藤色・桃色・金色・紫色
不祝儀・・・・紺色・灰色・緑色・薄青色・紫色
紫だけは祝儀・不祝儀両方使うことができますので一つご用意されると便利ですね。
4-6.参列に関してのマナー違反について
多くの方の一人として参列する葬儀ですが、正しい葬儀マナーについてご紹介してきました、逆にタブーとされることはどんなこと?
例えば、スマホ・携帯など必ず電源を切っておく。
当たり前のようですが電源をきらないと機種によってはバイブもかなり静かな会場では響いてしまいます。
これは恥ずかしいですよね。
また、通夜振る舞いやお斎などでたまにお見かけするのですが飲食の振る舞いで飲み過ぎたり大声を出されるなどは厳禁です。
遺族はそれでなくとも様々な対応に追われて疲労困憊している場合が多いです。
努めて静かに控えめな立ち居振る舞いがマナーにかなっていると思います。
ご挨拶や故人を偲ぶお話やご遺族にねぎらいを表す場所であることを忘れずに。
また、パワーストーンのブレスレットを数珠変わりになるか?という質問をWeb上でたまに見かけますが、当然、数珠の変わりにはなり得ません。
まとめ
葬儀に参列するための心構えは故人を悼み、ご遺族を慰める気持ちを持って伺うことだと思います。
でも、最近の傾向として気持ちだけが優先しており数珠もあっても無くても良い、形にとらわれない風潮があります。
しかし、ご遺族と共にその死を悼む場には最低限知っておくマナーがあり、それは故人への感謝の気持ちとご遺族への哀悼の気持ちをあらわす為のマナーです。
数珠の知識と通夜・葬儀についてのマナーについてご紹介してきましたが、これから葬儀に参列される皆様の不安や疑問に少しでもこの記事がお役に立てれば幸いです。
最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。