『週刊ダイヤモンド』6月18日号の第1特集は「医学部&医者」です。日本中の秀才たちがこぞって受験する超難関の医学部受験の実態に加え、医学部選びで押さえておくべき医学部の“序列”を全て明らかにしました。
日本全国の優秀な頭脳が、医学部受験に向かっている。そのため、偏差値は上昇を続け、ちょっとやそっとでは歯が立たなくなっている。過熱する背景には、何があるのか。
志願倍率85.7倍──。たった63人の定員枠(一般)に、5398人の志願者が押し寄せた東海大学医学部。この数字は入試日程の兼ね合いなどによる飛び抜けた例としても、倍率20倍、30倍は当たり前というのが、今の医学部受験の実態だ(図表参照)。
医学部全体で見ても、2016年の定員数9262人に対し、志願者数は約14万人に上り、志願倍率は実に約15倍。いかに医学部が“狭き門”かが分かるだろう。
それだけではない。この14万人は、日本全国に散らばるトップクラスの秀才たちなのだ。偏差値で見ると、東京大学理科Ⅲ類(医学部)の偏差値78を筆頭に、偏差値70以上が9校、それ以外の医学部でも、ほとんどが偏差値60を超えている。
1995年と比較してみると、最も偏差値が上がったのが、東京慈恵会医科大学で、この20年で偏差値56から74へと、実に18も上がった。次いで、順天堂大学は偏差値が10上がり、東京医科歯科大学と奈良県立医科大学、宮崎大学の三つの大学は、偏差値が8上がっている。
ちなみにこの偏差値データは、駿台予備学校の駿台全国模試のデータであり、最難関大学の受験者層を多く含む、レベルが高い模試であることを申し添えておく。
加えて、全ての国公立大と一部の私立大が利用する大学入試センター試験の得点率も見てみよう。低くても80%台の半ばで、偏差値の上位校ともなれば、得点率90%を超えてくる医学部はザラにあるのだ。
センター試験といえば、医学部受験では通常5教科7科目の試験。そこでこの得点率を達成するには、「一科目でも苦手科目をつくったらアウト」(加藤広行・代々木ゼミナール進学相談室部長)という厳しい戦いだ。