青函トンネル内で緊急停止2件 信号受信で
12日、北海道新幹線の列車が青函トンネル内を走行中に停止信号を受信して緊急停止するトラブルが2件あった。JR北海道が原因を調査している。4月1日にも同様の事案があり、並行する新幹線と在来線のレールの間に落ちていた金属片により信号が誤作動したのが原因だった。
JR北海道によると12日午前8時ごろ、青函トンネル吉岡定点(北海道福島町・旧吉岡海底駅)付近で、新函館北斗発東京行き北海道新幹線はやぶさ12号が停止信号を受け、非常ブレーキで止まった。安全を確認してすぐに運行を再開したが、同日午後1時ごろには、約20キロ離れた同トンネルの竜飛定点(青森県外ケ浜町・旧竜飛海底駅)付近を走行中の東京発新函館北斗行きはやぶさ11号でも同じ現象が起き、1分間非常停車した。けが人はおらず、ダイヤへの大きな影響もなかった。
いずれも、実際にはいない在来線の先行列車がいると自動列車制御装置(ATC)が認識していた。それぞれの現場付近を後続の貨物列車が通過した後で、正常な状態に戻った。装置には異常がなく、同社は現場付近の状況を調べている。
青函トンネル内は、線路幅が異なる新幹線と貨物列車を走らせるため3本のレールが並行する「三線軌条」になっている。新幹線専用レールと貨物(在来線)専用レールの間隔は約37センチあるが、固定金具などを含めると絶縁部分の幅は4センチ程度しかない。
4月1日に吉岡定点付近で起きたケースについて同社は、落ちていた金属片(縦6センチ、横4.5センチ、厚さ0.2センチ)によりレール同士が通電してATCが誤作動したと発表。金属片はレールの一部の可能性が高いとしているが、トンネル内でレールの損傷は見当たらなかった。このトラブルを受け同社は、4月末にトンネル内約36キロの線路周辺の清掃作業をしていた。【澤俊太郎】