瞬間英作文で英会話を上達させる
語学というのは不思議で得意な人はどんどん上達するが、苦手な人にとってはなかなか上達していかない。僕自身、大学で英語を専攻で学んでいるがもともと中学まではあまり英語が好きではなかった。「なんで日本にいるのに英語なんて勉強しなきゃいけないの?」そんな疑問を持っていた僕の英語のテストの点数はいつも50点いかないくらい。
そんな状態から英語を学びたい!と思ったきっかけは色々とあるんだけど、いい先生と熱い思いに心が動かされたことが大きい。とにかく英語の先生に憧れたことが英語の勉強を始めるきっかけだった。
つまり、もともと本当にセンスのかけらもない僕が1から努力だけで英語を勉強して、なんとか留学に行って日常会話できるまでになったという視点から英語の勉強について伝えられることがあると思っている。ストイックにやることでどんな年齢からスタートしても英語を話せるようになると今では確信している。
あとはやるかやらないか、本当にこれだけだと思ってる。
今回は瞬間英作文を使った僕独自の勉強方法を詳しく書いていく。もし自分の勉強に取り入れられそうなものがあれば活用してみてほしい。
瞬間英作文の効果
改めて瞬間英作文を行う目的は「英会話の自分から話す力を上げる」ためだ。英語学習の全体については僕が英語を話せるようになるまでにやった勉強法と計画のすべての中で紹介しているので参考にしてみてほしい。
もちろん、何を話すのか、という話す内容についての議論はあるけど、ここでは単純に「思ったことを英語で話す瞬発力」を鍛え方について具体的にそのノウハウを説明していく。
ちなみに瞬間英作文とは、右のページに書いてある日本語を素早く英語に訳すること。
この例文が1ページ10個、合計1000個載っている。
瞬間英作文を効率的に行う工夫とポイント
まずはこの本がないと始まりません。
緑のこの本はシャッフルトレーニングと言ってこれだけでも十分なのだが、もし基本的な中学英文の基礎から徹底的にやりたい場合は青い瞬間英作文の本もある。こちらの方がより初心者にも簡単な中学1年生の基本文型が載っている。
具体的な本のやり方については本書に載っているのでこの通りにやってももちろん効果は絶大なのだが、ここでは僕なりのやり方のポイントや工夫の仕方を紹介していく。
- 1ページ10個の例文10ページで100個ごとに区切る
- あえて時間を空ける、休憩する
- 分からないことに時間をかけない
- 歩きながら音読
- ページの初めに周回数を記録する
次項から一つずつポイントを具体的に紹介していく。
1ページ10個の例文を10ページ100個ごとに区切る
これは勉強するときのモチベーションの維持と区切ることによって強制的に時間を置くためのもの。例えば、スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニングはパート1、パート2で合計1000個の例文が用意されている。これだけの量をやみくもに「さぁやるぞ!」と1から瞬間英作文をやっても確実に意気消沈するのは目に見えてる。
100個ごとで区切れば少なすぎず、多すぎずでちょうどいい分量になる。また、慣れてくるとこの100個の文章が10分もかからずに達成できるようになる。
多すぎず、でもしっかりと負荷がかけられる量を決めて確実にこなすことが大切になってくる。
それから後で説明するけど、分量を区切ることで繰り返しの回数が多くなるという利点がある。「繰り返す」ことが何よりも大切であって、毎回少しずつ達成感を味わう方が絶対に長続きする。
あえて時間を空ける、休憩する
ストイックに4時間、5時間と勉強するのもいいですが適度な休憩は必ず必要。逆に長すぎる休憩も勉強する気がなくなるのであまり良くないと思う。僕が大事にしていたのはエビングハウスの忘却曲線を元に繰り返しの時間を決め込むことだ。
学習後どのくらいの時間で、覚えた内容のうちどのくらいを忘れてしまうのかを図に表している。約20分後にはすでに内容の半分を忘れてしまっていることが分かる。
この現象を元にまず当日やったことは20分後に1度復習することをおすすめする。そこで一旦終了し、1日後もしくは2日後にもう一度繰り返す。あとは1日ごとに繰り返しの数を増やしていけばいい。具体的なやり方は次の通り。
まず、基本のやり方として100例文の瞬間英作文を一気にやってしまおう。分からなかったら日本語訳を見て覚えて次へ。これをまず1周する。
それから先ほどやった100例文を20分後にまた1周させる。この20分間のあいだは次の例文を進めていてもいいし、まったく関係ないテレビ見るとかゲームするとか別のことをやってもいい。これを繰り返してその日はやれるところまでやっておく。
次に2日目には前日にやった100例文をまずは1周させる。図では1日目で200例文を終わらせたのでこの200例文をまず1周させる。それから基本のやり方に沿って次の例文に進む。やり方は同様だ。
このやり方なら1日200例文を終わらせれば3日目にはトレーニング1の500例文を一通り終わらせることができる。プラスして各100例文を小刻みに繰り返すことができているはずだ。(例えば、1の100例文であれば3日で4回以上は繰り返す計算)
そこまできたら500例文をまとめて一気に1周させよう。
ここからが本番だと言っていい。これまでやった例文を徹底的に10周するまで行う。もちろん、連続でやる場合には途中に20分間の休憩を挟んで行う。
これは実際にやってみて分かることだが、不思議と1周にかかる時間がどんどん短くなってくることが身に染みて分かる。ここまでくるとスピードがみるみる早くなってきて楽しくなってくる。
最後に、勉強が終わったらビールを飲むなり、好きな事するなりして徹底的に忘れてしまおう。メリハリをつけることが大切だ。大丈夫、また次の日に繰り返すことで自然と覚えたことが身になってくるので。忘れて覚えてを繰り返して脳に記憶を定着させていくことを繰り返すことで誰でも確実に完璧にできるようになる。繰り返しの効果は絶大!
分からない状態に時間をかけない
これは学校での勉強が弊害になっていると思っているのだけれど、みんな1回で完璧にしようと頑張る人が多い。
失敗することをなかなか許さない教育の中に身を置いてしまうと、「1回で理解できる人=頭がいい」という構図が出来上がってしまう。これは英語という言語の勉強において本当に邪魔なだけなのでいますぐ排除してほしい考え方だ。
何度も言いたいけど、勉強において一番大切なのは繰り返すこと。一回で覚えられるかどうかより、繰り返した数が多い人が正義。これを頭に置きつつ英文を読み込んでいこう。
まず、瞬間英作文の中で分からない文章が出てくるとする。この「分からない状態」にかける時間は20秒くらいにしておこう。自分の頭の中でもう少しで出てきそう!っていう場合は粘って英文をひねり出すけど、そもそも分からないなら答えを見て覚えることに専念したほうがいい。
ここで大切なのは「分からなかった自分」に負い目を感じないこと。たった1回や2回ですべて覚えられるのならもうすでにあなたは中学・高校の授業で身につけた英語でペラペラ喋れてるはず。そんなスーパーマンなんているわけないのでご安心を。
もちろん初めは100個を終えるのに2〜3時間以上かかるかもしれない。それはそれでまったく問題なし。順調です。繰り返すほど確実に1ページにかける時間は少なくなっていき、上達していくので安心してください。
歩きながら音読
どんな姿勢や状態で勉強してますか?僕がおすすめするのは歩きまわりながら音読すること。さきほどの1周を回すときは立って部屋の中を歩きまわりながらやることをおすすめする。
記憶に関する資料はたくさんあるし、体を動かしながら記憶をしたことって忘れにくいとよく言われる。僕自身もこれに関しては賛成なんですが、個人的に歩きながらやると何がいいかというと眠くならないってこと。
僕は勉強してるとめちゃくちゃ眠くなります。これはずっと悩みでもありました。だから眠らないように立って歩きながらやってました。これが結構効果的で、机に座っているときよりも集中することができる。
もし、これまで勉強したけどあんまり長続きしなかったとか眠くなってやる気なくなってやめたって人は試してみてほしい。
ページの初めに周回数を記録する
もう一つ、勉強を続ける上で大事なのは「記録」を取り続けること。
すごく簡単でいいので本の空白に1から10までの数字を書き込んで、1周終わるごとに数字に◯をつけていく。シンプルで紹介するまでもないのかもしれないけど、今自分がどれくらいまで達成しているかを見える化させることでモチベーションの維持につながる。
僕は写真の通り、10周区切りで◯を付けていった。ちなみに、5周目くらいまでくると一気にスピードが上がって500個の例文を20分くらいで終わらせられるようになってくる。こうなると◯をつけるのがかなり楽しくなる。
これまで紹介した方法のまとめ
紹介してきたポイントをすべて織り込んだまとめを最後に紹介しておく。
- 100個の例文を一通り終わらせる
- 20分後にもう一度100個の例文を一通り音読(歩きながら)
- 次の100例文を始める
- 1〜3を繰り返し500例文までやる
- 500例文を10周やる
- これを繰り返して1000の例文を徹底的に叩き込む
100フレーズごとの繰り返し方は以下の通り。繰り返すことを念頭に計画の流れを組んでいるので効率的に効果が得られるはず。これは海外旅行で簡単な日常会話くらいは喋りたいという人にもかなり有効。文字通り10周する頃には自分の言いたいことはある程度簡潔に言えるようになってしまう。
最後に心構えとモチベーションの保ち方も覚えておこう。
- 最初は時間をかけてゆっくりと
- 1回ですべて覚えようと思わない、出来なくて当たり前
- 20秒考えて分からないなら答えをみる
- できないことは悪いことではない。いかに繰り返すかが大切
英文法の上達が鍵を握る
ここまでは瞬間英作文のやり方を具体的に説明してきたけど、僕の感覚では本当にこれだけで日常的な会話や自分の言いたいことがある程度英語で言えるレベルまで持ってくることができる。友人にも進めて一気に英会話が上達していたので、他のどんな英会話の勉強法より効果あると確信している。
英語はリスニング、リーディング、単語、英文法と全体的に勉強していかないと伸びない。単語ばかり覚えても喋れるようにはならないし、逆に瞬間英作文で英会話力をつけても単語力がないと表現の幅が広がっていかない。すべてにおいてバランス良くやっていくことが大切になる。
その中でもきちんと落とし込んでおきたいのが英語初心者が英語の基礎基本をきっちり学べるおすすめ本11冊の中で紹介している英文法だ。英文法で英語の型が自分の中に落とし込めているかどうかで基礎力がかなり違ってくる。
この基礎力についてはTOEICの点数である程度把握することができる。もしTOEICで500点台以上になかなか到達しない人は英文法からきっちりと鍛えていく必要があると思ったほうがいい。
瞬間英作文の勉強方法は英文法のテキストを学ぶ時にも応用が可能なので、また記事に書きたいと思う。
最後までお読み頂きありがとうございました。