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どんな質問にも30秒で答えろ! マッキンゼーのコンサルが実践する原則──翻訳前の話題書を「先読み!」

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The McKinsey Edge: Success Principles from the World’s Most Powerful Consulting Firm
シュウ・ハットリ(服部周作)著
2015年McGraw-Hill Educationより刊行、邦訳版は『47原則 世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』としてダイヤモンド社より2016年7月7日刊行予定。

マッキンゼー・アンド・カンパニーといえば、トップクラスのグローバルな戦略系コンサルティングファームとして、世界にその名をとどろかせている。
膨大な数のコンサルティングプロジェクトを主導するだけでなく、社内から世界各国の名だたる企業の経営に携わるリーダーを輩出していることで、その名声を高めた。

同社で契約担当マネジャーを務める著者が長年書き留めてきたメモを元に、マッキンゼーが教育し、社員たちが日々実践しているリーダーシップの原則を紹介した『47原則』から、すぐに役立つ1つの原則を紹介しよう。

●原則「どんな質問にも30 秒で答える」

誰かに自分を手っ取り早く印象づけるには、「短く答える」ことが重要。とくに企業の取締役レベルの人たちに対しては効果的だ。
長年の経験から、私はそのことを「30秒回答ルール」と呼び、マッキンゼーの原則の一つとしている。

短く答えるために情報をすばやく整理してまとめるのは至難の業だ。まとめた情報は、詳細すぎても、幅が広すぎても、レベルが高すぎてもいけない。
だがマッキンゼーのベテランディレクターたちの多くは、これらをうまく調整する能力を有している。その能力を身につけるための練習は、誰でも簡単に始めることができる。

まずは以下の3つのメソッドを試してみよう。

1つ目は、「ダブルクリック」テクニックと呼ばれているものだ。
その名はネットショッピングサイトで使われている手法から来ている。こうしたサイトでは、まず商品の短い宣伝文が表示される。そしてその末尾に「もっと知る」などのリンクが示され、より詳しい情報を求める人にクリックを促す。
30秒の回答は、その短い宣伝文のようなものだ。相手に情報のエッセンスを伝えて興味を引きつけ、より詳しく聞きたい場合にはさらに質問してもらうようにする。

2つ目は、相手の質問を分析するクセをつけること。
たとえば取締役レベルの経営者が「プロジェクトの進捗はどうかね?」と訊いてきたとする。その瞬間にあなたはその経営者の立場になり、相手が本当は何が知りたいのかを想像するのだ。
プロジェクトが全体としてうまく運んでいるかを漠然と知りたいのか、現状を表す具体的な事例をいくつか知りたいのか。あるいは、(あなたが)問題に適切に対処しているか、自分(質問者)が何か手伝うことがあるのかなど、短い質問のなかにいろいろな意味が込められている可能性がある。

3つ目は、ダーツゲームの的のように回答を考えることだ。
あなたは、わざとストレートな(ボードのセンターを狙う)回答を避け、その周辺(的の周囲に描かれた円)について答える。後から追加で質問されるかもしれない内容を先取りして答えてしまうのだ。
その回答には、 ストレートな答えについても相手が容易に推測できるヒントを盛り込んでおく。

「30 秒回答ルール」を実践することで、次のような効果が見込まれる。

 (1) 人が何を望んでいるかを察する鋭い感覚が得られる。
 (2) 物事をまとめる力が身につく。
 (3) プレゼンテーション力が磨かれる。
 (4) 潜在的にCEOレベルのマインドを身につけることができる。

相手が知りたい情報をコンパクトに過不足なく伝えることは、仕事のプロセスを効率化するとともに、良好な人間関係を築くのにも役立つ。
その意味で「30秒回答ルール」はビジネスコミュニケーションの重要スキルであり、マナーでもあるのだろう。

私たちは質問に対して何気なく答えてしまいがちだが、各自が「30秒回答ルール」やそれを身につけるための3つの方法を少しでも意識することで、仕事の成果や職場環境が改善していくかもしれない。

先読み担当:情報工場

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