仁川市甕津郡延坪島の北側の海岸で油のにおいがするという苦情が相次いでいる。韓国の漁業関係者は、北方限界線(NLL)付近の海域で違法操業をしている中国漁船が廃油を海に捨てているのではないかと疑っている。
同島の漁業関係者組合によると、ここ数年、夏と冬に同島の北側海岸で採取したカキやワカメなどから油のにおいがするという。年に2-3回はこうしたことがあるというのだ。これまで組合側が甕津郡に原因究明を要請してきたが、調査はまだ行われていない。
同組合のパク・テウォン組合長(56)は「私自身が島の北側で、海に浮かぶ金色の油の帯を見たことがある。カキ養殖をする島民から『ときどき海水から油のにおいがする』という話も聞く。違法操業をしている中国漁船や北朝鮮漁船がエンジンオイルなどの廃油を捨てているのではと推定している。迅速な措置が必要だ」と述べた。
延坪島の漁船は普通、300時間の航行でエンジンオイルを交換する。廃油はすべて取っておき、水産業共同組合の廃棄物場に返納する。そうしなければ新しいエンジンオイルが受け取れないため、韓国漁船が油を捨てた可能性は低い。しかし、違法操業をしている中国漁船やNLLを越えてきた北朝鮮漁船が廃油をどのように処理しているかは分からないのが実情だ。
甕津郡関係者は「郡の調査では油の汚染が問題になったことはまだない。漁業関係者の見解を再確認し、西海(黄海)水産研究所と共に原因を調査する」と語った。