韓国軍と海洋警備安全本部(以下、海警)、国連軍司令部が10日、漢江河口で違法操業する中国漁船を追い払うための作戦を展開した。軍と海警が漢江河口で作戦を展開したのは1953年の韓国戦争(朝鮮戦争)停戦協定締結以来のことだ。韓国政府関係者は同日、「海軍と海兵隊、海警からなる民政警察(Military Police)が高速短艇に乗り、漢江河口で違法な中国漁船を阻止し、退去させる作戦を行った」と述べた。作戦区域が北朝鮮と接する中立水域であるため、国連側が監督官を務めた。
中国漁船の漢江河口違法操業は2014年までは年間2-3回だったが、昨年は120回余りに増え、今年は5月までで520回余りに達している。今はワタリガニ漁の季節を迎えていることから、中国漁船がワタリガニ漁の漁場として知られる漢江河口に約30隻ずつ集まり、まだ成長しきっていないものまで一気に捕獲している。韓国政府は中国政府に対し、中国漁船の漢江河口不法侵入を阻止するよう十数回にわたり通知したが、効果がなかった。韓国政府関係者は「中国漁船の違法操業で漢江河口水域の水産資源が枯渇し、漁場が荒廃している」と語った。
ヴィンセント・ブルックス国連軍司令官が同日の作戦を承認、「国連軍司令部は停戦協定を維持する責任を非常に深刻に受け止めており、これに基づいて作戦を実行するものだ」と正式発表したが、これは北朝鮮に向けて無謀な挑発行動を取るなという警告にも受け止められる。国連軍司令部側は8日、板門店を通じて「民政警察が漢江河口で中国漁船退去作戦を展開する」と北朝鮮側に正式に通知した。韓国軍当局は、南北の軍事的衝突に備えて海軍艦艇と義務搬送ヘリコプターを近くに待機させていたという。退去作戦中、北朝鮮軍の特異な動向はなかったとのことだ。