【ロンドン=共同】英国の名門ロイヤルバレエ団に所属する平野亮一さん(32)と高田茜さん(26)の日本人ダンサー2人が主役級を演じる最高位のプリンシパルに昇格することが決まった。1993年に熊川哲也さんが昇格、95年に吉田都さんがプリンシパルとして移籍して以来の快挙。関係者の間では11日、祝福の声が広がった。
平野さんは「光栄だ。夢がかなった。三十路を過ぎての昇格で本当にうれしい。これから長く頑張りたい」とのコメントを発表した。吉田さんは「一緒にやってきたので、うれしいです」と喜びを語った。「プリンシパルには、けがをせず、お客さまに喜んでもらえる舞台をつくることが一番大事」とアドバイスした。
2002年に入団し、12年からプリンシパルに次ぐ第1ソリストを務める平野さんは兵庫県尼崎市出身。母親の節子さんは「息子がずっと追い求めてきた夢がかなった。言葉にならないくらいうれしい」と語った。
節子さんは同市でバレエ教室を運営している。平野さんも子供のころから他の生徒に交じり、毎日懸命に練習に励んでいた。「息子の努力はすさまじかった。一流のバレエダンサーになりたいという一念だったと思う」
一方、平野さんと共に昇格が決まった高田さんを東京のバレエスタジオで指導した高橋洋美さんは「3歳で初めてスタジオのバーにつかまった時から『何者だろう』と思わせるオーラがあった」と振り返った。
「おとなしいけれど、いつでも踊っていたい子。彼女の夢だったロイヤルバレエ団のプリンシパルになるので、すごくうれしい」と語った。