大きな人気を集めている韓国GMの中型セダン「マリブ」が、輸出向けと内需向けでエアバッグの仕様に違いがあるとの論議が浮上しています。最近北米市場向けに適用されたエアバッグの個数と性能が内需向けと違うとの事実が発覚したことで、GMが韓国消費者を差別しているとの世論が拡散しています。一部のネチズン(ネットユーザー)は、エアバッグの入れ替えを求めるオンラインの署名運動まで展開しています。
国内で販売されているマリブには、2世代「デパワード(depowerd)エアバッグ」8個が装着されています。一方、GMが北米市場向けに売り出したマリブには4世代「アドバンスト(advanced)エアバッグ」10個が装着されています。
2世代エアバッグは、エアバッグの作動による「2次傷害」を阻むために膨脹圧力を減らした製品です。4世代エアバッグは搭乗者の体重や座った位置、衝撃の強さによってエアバッグの膨張圧力が調節される最新型のエアバッグです。
国内消費者は「旧型マリブにも3世代スマートエアバッグ(2段階で膨張圧力が調節されるエアバッグ)が装着されていたのに、新車を発売したことで安全と直結しているエアバッグの仕様を低下させたのは理解に苦しむ」と主張しています。韓国GM側は「北米ではアドバンスト・エアバッグの装着が義務付けられているが、国内では義務付けられていない。エアバッグの装着数は、国内で販売されている中型セダンの中で最も多い8個という点が重要だ」と説明しています。
現代自動車も、2000年代後半に内需向けの自動車には2世代エアバッグを、輸出向けには4世代エアバッグを装着したことが世間で知られ一時批判を浴びました。現代自は最近になって、明るみに出た問題をなくすために、内需向けと輸出向けにそれぞれ4世代エアバッグを装着しています。
韓国GMが過大広告を出したと主張する声も上がっています。マリブが2016年に米国新車評価プログラムの安全性総合評価部門で星五つを獲得。8個の「最先端エアバッグ」を装着したという内容が虚偽の事実だというのです。新型マリブを注文したもののキャンセルしたある消費者は「北米向けと安全面での仕様が違う韓国向けも星五つを獲得したかのように宣伝するのは消費者をばかにする行為」と眉間にしわを寄せました。