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 23日に欧州連合(EU)からの離脱を問う国民投票を行う英国で、離脱になった場合の北部スコットランドの動きが注目されている。EU残留を望む住民の間で、約2年前にいったん白紙に戻ったスコットランド独立運動が再燃する可能性があるからだ。

 「残留に票を投じたのに、英国全体の票でEUから離脱させられたら、スコットランド住民の多くは不公平だと思うだろう」

 自治政府首席大臣を務める与党・スコットランド民族党(SNP)のニコラ・スタージョン党首は10日、ニュースサイト「バズフィード」などがロンドンで開いた若者との対話集会でこう述べた。スコットランド住民の意に反して英国がEUを離脱すれば、独立を問う住民投票の再実施を求める機運が高まると示唆した。その上で「私はそのような経緯では独立したくはない」と述べ、英国全体が一致して残留を選ぶよう訴えた。

 スコットランド住民は欧州への帰属意識が強く、EU残留を望む割合が英国全体に比べて高い。スコットランドでの最新の世論調査では、残留支持は51%、離脱支持は21%だった。