18歳選挙権に思う(6月12日)
「世界で一番貧しい大統領」というキャッチフレーズで話題となったウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領が出版記念のために来日した。いろいろな所で生き方、言動が紹介され、感銘を受けた方も多いことだろう。80歳の現在に至るまでには何十年に及ぶ投獄生活などもあり、平たんな人生ではなかったことも知った。自身の生活は質素で国民の暮らしを豊かにすることに心血を注ぎ、人間として最高の生き方を示してくれた。
名言の一つに次の言葉がある。「お金があまりに好きな人たちには、政治の世界から出て行ってもらう必要があるのです。彼らは政治の世界では危険です。お金が大好きな人は、ビジネスや商売のために身をささげ、富を増やそうとするものです。しかし、政治とはすべての人の幸福を求める闘いなのです」
このような方に今日の日本にぜひ登場してほしいと思っていたところ、なんと真逆のケースが発生し、マスコミをにぎわしている。
政治目的を達成するために、その活動上必要とする政治資金の使われ方が最近頻繁に問われている。本人の資質はもちろんのこと有権者にも責任がある。選挙の時の彼らの公約をうのみにし、投票した後は全くノーチェックだ。いや、チェックしたくてもその方法も見つからず、すべて彼らの「性善説」を信じ、「先生」と言ってあがめ奉っているのが現状だ。
戦前は井戸塀代議士などと言われるほど国民のために尽くした政治家がいた。この言葉を『広辞苑』第六版で調べたら、死語にはなっていなかった。
現在、20代の投票率は30%台から40%台ぐらいを行き来する低迷ぶりだが、この6月19日から選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられる。
1945(昭和20)年に20歳以上、男女ともに投票できる完全普通選挙権を手にした時と違って、少子高齢化という時代の流れで、未来を担う若い世代に政治に参入してもらうように国の方針で手にした選挙権の意義を考えるべきだ。
議員の方も選挙期間中よりもバッジをつけてからの動きを明確にし、そして正確な情報発信をして有権者が自分の一票が生かされているという実感が持てるように活動すべきだ。国会のテレビ中継では、スキャンダルや誹謗[ひぼう]中傷、官僚の助けを必要とするお粗末な答弁、おまけに居眠りをするなどの様子が映し出されるが、日々国民のために東奔西走していることをアピールすべきだ。
「若い世代に政治の目が向けられていない、誰に投票していいか分からない、どうせ結果は決まっている」などと初めて投票する彼らが失望感を抱かないよう、関係者は「すべての人の幸福を求めて闘いをする」政治家を選ぶべきであることを周知させてほしい。
彼らの投票率が低ければ、国の施策がシルバー民主主義現象に傾き、不利益を被ることにもなりかねないことを大人たちは警告し、投票率を上げるいい機会にしたい。(玉手匡子、磐城桜が丘高校同窓会長)
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