スマホで世界とつながれるのに、関心を持つのは身の回りの出来事。そんなイメージを持たれる若者たちが、自分なりの「政治」を始めている。

 5月28日の朝、JR川崎駅近くの商店街に、園児から70代まで約30人が集まった。週末約1時間のゴミ拾いボランティア。そろいの緑色のベストを着て、手にしたゴミばさみで拾う。みるみるうちにポリ袋10個がいっぱいになった。

 この活動に加わっていたのは、大学生の那須野純花(なすの・あやか)さん(18)。東京、大阪、福岡など約80カ所に拠点を持つNPO「グリーンバード」のメンバーで、ボランティアを取り仕切る地区リーダーだ。

 「ゴミ拾いを通して、地元川崎の面白さや課題に気づきました」

 参加者の職業はさまざまで、公務員やIT会社の社長、ホームレスを経験した人もいる。ゴミ拾いは、それぞれの知見や耳寄りな情報を交わす場でもある。

 那須野さんはここで知った情報をヒントに、地元の新鮮野菜を街頭で売り歩いたり、街おこしのイベントの企画に加わったりするようになった。睡眠は毎日4時間ほど。週末もボランティアにあてる。「自分の手で街を良くしている実感があるんです」

 高校2年の時にボランティアを始めたのは、個人的な理由からだった。