ソウルの韓国銀行中央本部。同行は4月、韓国の今年の成長率予想を2.8%に引き下げた(ブルームバーグ)【拡大】
韓国は、金融危機の予感が高まっている。韓国銀行(中央銀行)が今年4月に実施した調査によると、専門家の4割が同国で3年以内に金融危機が発生すると予想した。危機の原因としては、中国経済の減速や韓国内の家計債務の増大などが挙げられた。現地英字紙コリア・タイムズなどが報じた。
この調査は、中銀が金融・経済の専門家78人を対象に聞き取り方式で4月6~20日に実施された(複数回答可)。対象者の68人が金融サービス業に従事し、うち16人が銀行以外の金融会社勤務、32人が株式や国債、金融派生商品の投資家だった。そのほかの20人は中銀勤務者だ。
韓国国内で今後3年以内に金融危機が発生すると答えたのは40%で、発生しないと答えた19%を大きく上回った。要因としては、中国経済の減速と答えたのが73%でトップ。以下、企業負債の増加が59%、家計債務の増大が54%、低成長率と低インフレ率の定着が51%で続いた。