ディーゼル車のばい煙を画期的に削減、韓国で新技術開発

 ディーゼル車から排出されるすすなどの粒子状物質(PM)を画期的に減らす技術が韓国で開発され、実用化を目前にしている。

 韓国機械研究院は9日、小型車にも搭載できる小型のばい煙低減装置を新たに開発し、環境部(省に相当)の認証取得を進めていると発表した。認証を取得できれば、来年から車両に搭載される見通しだ。ばい煙低減装置はディーゼル車のばい煙を集めて燃やすもの。この過程で、燃焼が不十分な軽油や窒素酸化物(NOx)などが燃えてなくなる。

 ばい煙低減装置がきちんと作動するには排ガス温度がセ氏300度以上になる必要があるが、現在の一般乗用車は排ガス温度が150度にとどまり、十分に作動させることができない。排ガス温度を高める燃焼装置(バーナー)はサイズが大きく、大型トラックに搭載される程度だ。

 研究陣は「太陽」に解法を見いだした。気体が超高温状態になると原子核と電子が分かれ、プラズマになる。太陽からはプラズマが吹き出している。研究陣は超小型プラズマバーナーで排ガスに含まれる軽油を一酸化炭素と水素に分離した。水素は酸素と一緒に燃え、膨大な熱を発する。この熱で温度が上昇した排ガスはばい煙低減装置で燃やされ、大気汚染物質の量は最大で95%減るという。

 機械研究院・プラズマ研究室のソン・ヨンフン室長は「プラズマバーナーのサイズは従来のバーナーに比べ10分の1で、紙コップほど。小型車にも搭載可能で、ばい煙だけでなく粒子状物質の主犯となる窒素酸化物も同時に処理できる」と説明している。

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者
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