矢鳴雄介、坂田達郎
2016年6月10日03時00分
原発事故で汚染された指定廃棄物について、環境省は9日、那須塩原市蟇沼の那須塩原クリーンセンターで放射能濃度の再測定を始めた。県内160カ所の保管場所の一つで、県内での再測定は初めて。井上信治副大臣が視察に訪れ、焼却灰から試料を採取する作業を見守った。
井上副大臣らが先月23日、宇都宮市であった会議で、県内約40カ所で再測定し、9月中をめどに結果をまとめる方針を市町長らに説明。放射能濃度の減衰傾向を把握するとしていた。
那須塩原クリーンセンターは市の施設で、3日間で焼却灰80キロを採取する。井上副大臣はこの日、君島寛市長と市役所で面会後に訪問。袋に入った焼却灰の固まりを砕き、瓶などに詰める作業を見つめ、分析方法の説明を受けた。終了後、副大臣は「同意をいただいた場所から再測定を進めたい」と述べた。
福田富一知事は先月末の県議会で、放射能濃度が(指定基準の)1キロあたり8千ベクレルを下回った場合、国が処理を押しつけるという不安が市町にあると指摘。「再測定の結果を踏まえ、処理をどう進めるかが重要。国は具体的な処理の道筋を明確に示してほしい」との考えを示した。(矢鳴雄介、坂田達郎)
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