【動画】福島第一原発3号機の燃料取り出し用カバーの設置訓練=伊沢健司撮影
[PR]

 東京電力は10日、福島第一原発3号機のプールに残されている核燃料566体の取り出しに向けて、建屋を覆うカバーの設置訓練を、いわき市の小名浜港で報道陣に公開した。原子炉建屋は放射線量が高いことから、訓練によって設置時間を短縮し、作業員の被曝(ひばく)線量を減らす狙いだ。

 カバーの設置は、燃料を取り出すための機材の保護や放射性物質の飛散防止などが目的。組み立て作業の訓練として、高さ約18メートルのドーム形の屋根の一部を、レール上でゆっくりと約50メートルスライドさせた。

 東電は今月まで訓練を続け、作業手順や安全性を検証。3号機の除染や遮蔽(しゃへい)体の設置で線量を下げたうえで、カバーの設置工事に取りかかる。訓練で使われたカバーはいったん解体され、福島第一原発まで船で輸送する。2017年度中に燃料の取り出しを始める方針だ。(伊沢健司)