2016年6月11日06時50分
東京地裁で昨年9月にあった裁判員裁判で、傍聴していた男が裁判員に法廷外で「被告がかわいそうだ」などと声をかけていたことが、関係者への取材で分かった。地裁は男を裁判員法違反の疑いでの告発を検討したが、裁判員が捜査や裁判での証言の負担に難色を示し、声をかけた内容も悪質性は低いと判断して、厳重注意にとどめたという。
声かけがあったのは、被告が危険運転致死などの罪に問われた裁判。傍聴していた男が地裁内で、1人の裁判員に声をかけた。男は被告とは面識はなかったという。裁判員から報告を受けた地裁は「審理に影響はない」と判断。裁判員を解任せず、判決は予定通りの期日に言い渡された。
裁判員法は裁判員への依頼や威迫を禁じている。福岡地裁小倉支部で今年5月にあった殺人未遂事件の裁判では、暴力団幹部の被告の知人が複数の裁判員に「よろしく」などと声をかけたとして、同支部が福岡県警に告発している。
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朝日新聞社会部
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