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小学生が危ない! LINEスタンプ詐欺の実態

東洋経済オンライン 6月11日(土)5時0分配信

子どもから大人まで、つい夢中になってしまう「LINE」。トークの合間に送るスタンプは、あればあるほどうれしいものです。とはいえ、魅力的なスタンプは有料のものがほとんど。アルバイトもできる高校生なら買えますが、小中学生にはハードルが高い買い物です。そこに、「有料スタンプあげます」というLINEアカウントが現れたら――。
実際に娘に送られてきたLINEアカウントとつながり、そのからくりを探ったレポートをお届けします。
■ 「有料スタンプあげます」というアカウントが存在する

 LINEの魅力のひとつに、「スタンプ」があります。文字だけでは堅苦しくなってしまう文章も、スタンプを交えるだけで表現が豊かになり、自然と会話が盛り上がります。

 スタンプには無料と有料があり、LINEや企業が配布している無料スタンプでも十分なのですが、子どもたちに人気なのは有料スタンプです。アニメや漫画の人気キャラクター、芸能人とのコラボ、人気クリエーターが作ったスタンプなど、魅力的なスタンプが目白押しです。また、LINEの画面デザインを丸ごと変えられる「着せかえ」も同様で、やはり有料のものに人気が集まります。

 現在、ほとんどの有料スタンプは50コイン(120円)か100コイン(240円)、有料着せかえは150コイン(360円)で販売されています。お小遣い制の小中学生からすると、とても気軽に買える価格ではありません。そこで子どもたちはLINEポイントをせっせと貯めます。LINEポイントとは、企業のアカウントを友達追加したり、CM動画を視聴することで貯められるポイントで、120ポイントを50コインに交換できます。しかし、いくら時間があるとはいえ、CM動画をひとつ見て1ポイントですから、とても気の長い作業です。

 欲しくてたまらない有料スタンプ、それを無料でくれるという人が現れたら、子どもたちはどうするでしょうか。実は、「有料スタンププレゼント」をうたう、「スタンプ屋」アカウントが存在するのです。スタンプ屋のアカウントは、LINEのトークやタイムラインで拡散されてきます。友人から「本当にもらえたよ」と言われたら、「それなら」とつながってしまうのも無理はありません。

■ 本当にスタンプが配布されるのかを検証

 しかし、スタンプ屋は本当に有料スタンプをくれるのでしょうか。本当にくれるのなら、なぜ見ず知らずの人にプレゼントしているのでしょうか。実際にスタンプ屋に当たってみることにしました。今回連絡したのは、子どもたちがシェアしていたアカウントとTwitterで宣伝しているアカウント、合わせて12アカウントです。

ケース1:優しく厳しく指示を出す「Yui」さん

 Yuiのプロフィール画像は優しい女性のイラストです。友達に追加すると、自分のタイムラインを見るように促します。タイムラインには記号や絵文字が入る優しい文体で、「わたしを疑う人や失礼な人、待てない人にはスタンプをあげません♪」など、厳しいルールがびっしりと書かれています。

 そして、スタンプをもらうための手順が送られてきます。ここで、真っ先に指示されるのが「タイムラインへの投稿」です。Yuiから「スタンプ本当にもらえたよ! これはやらないと損! LINEアカウントはこちら」というリンク入り文章と、スタンプがプレゼントされているトーク画面の画像が送られてきます。これをコピーし、自分のタイムラインに投稿させられます。つまり、タイムラインに投稿した時点でスタンプはもらえていないのです。スタンプをもらったと言っていた友人も、実はもらえていない可能性があるのです。

 次に、Yuiはリンクからアプリを4つダウンロードするよう指示をしてきました。

 「ダウンロードしたら、すべてのアプリを起動させて、遊んだ画面を1枚ずつスクリーンショットして私に送ってね^^」

 指示されたとおり、無料のゲームアプリを4つダウンロードしました。データ量が多く、インストールに時間のかかるものばかりです。ゲームを起動してハンドル名などを登録し、ゲームが始まった画面を送りました。ひとつはアダルトな内容を含むゲームでした。

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最終更新:6月11日(土)7時35分

東洋経済オンライン

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