蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【首都スポ】関東大学サッカー 慶大のDFコンビ、64年ぶりの頂点へ奮闘誓う2016年6月10日 紙面から
◆井上大 チームけん引第90回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は今週末に前半戦のラストマッチを戦い、夏の中断期間に入る。1952年以来の優勝を狙う慶大は現在首位と勝ち点5差の5位。序盤戦でつまずきはしたが、DF井上大(4年・国学院久我山)とDF溝渕雄志(4年・流通経大柏)らを中心に立て直しを図り、これに成功した感がある。12日のゲームでも勝利を収め、順位をさらに上げておきたいところだ。(関孝伸) 第7節の一戦から、DF井上が主将代行としてキャプテンマークを巻くようになった。本来の主将はMF宮地元貴(4年・東京Vユース)だが、須田芳正監督が「キャプテンとしての強い責任感から、宮地は肩に力が入りすぎていました。その結果、チームがうまくかみ合わなくなっていたんです」と見て、井上を代行に据えた。 井上はまず、練習の充実を心掛けた。 「それまでは練習をただこなしているだけで、どう守るのか、どう攻撃するのかといった部分が徹底されていませんでした。チームとしてのまとまりがなくて、試合で結果を出せませんでした。僕が主将代行になってからは、気づいたことがあれば、どんなことでも練習中から徹底的に話し合うようにしています」 慶大は昨季3位のメンバーが多数残ったことから、優勝候補の一角と目されていた。ところが、開幕ダッシュに失敗し、第6節終了時点で2勝4敗と不調に苦しんだ。 「去年と同じようにやれば勝てるという考えがありました。自分たちはやれるという過信があったと思います」と、井上は振り返る。 「他は成長しているのに自分たちは止まったままという状態でした。そこに気づいて、いろいろなことを話し合っていく中で、今、何をしなければいけないのかを一人一人みんなが考えるようになりました。チームの雰囲気は変わりました」 井上が主将代行に就任して以降、チームはいい意味での緊張感を練習からみなぎらせるようになった。ここ4戦は3勝1分けと完全に上向きで、優勝戦線に殴り込みをかける勢いだ。「最初のパス練習の1本目から気持ちを込めて集中しろ」とゲキを飛ばす井上が、64年ぶりとなるリーグ制覇へと慶大をリードする。 <井上大(いのうえ・まさる)> 1994(平成6)年7月30日生まれの21歳。東京都出身。180センチ、75キロ。目黒区立油面小1年のときに油面サッカークラブでプレーを始めた。小4で横河武蔵野FCジュニアに移り、同ジュニアユースを経て国学院久我山高へ。同校2年時に全国高校選手権で16強入り。慶大卒業後は一般企業への就職を予定している。
◆溝渕雄志 右サイド制圧チームの勝敗の行方はDF溝渕の出来にかかっていると言っても過言ではない。 「僕のパフォーマンスが良ければ勝てるし、駄目なら負けると思っています。序盤戦の成績が良くなかったのは駄目だった僕の責任です」 無尽蔵のスタミナを自慢とする右サイドバックだ。守から攻、あるいはその逆の上下動を何度も繰り返す。タイミングのいいオーバーラップと幅広いエリアからの正確なクロスボールを誇るだけに、攻撃参加を得意とするのは一目瞭然。にもかかわらず、自身の持ち味を「守備」と言い切る。当然といえば当然なのだが、DFの選手なので、力を入れるのはあくまでも守りの方と力説する。 いい守備をした上で相手陣内へと積極的に進出し、そして責任を持っていち早く帰陣する。この一連の流れをこなして初めて高い評価を得られると溝渕は考える。「他のサイドバックよりも僕の方が自陣へのスプリントができます」との自信。攻守において自らのサイドを制圧し、チームを勝利へと導いていく。 「守りのところがうまくいかなくて、前に出て行くスプリントの回数がだいぶ減っていました」と、序盤戦における自身の不出来を悔やむ。しかし、ここに来て調子は上昇傾向、チームも順位を上げている。「守備はもちろんのこと、攻撃でも頑張って、もっと多くのチャンスを演出していきます」とこれまで以上の巻き返しを誓う。 前節では千金ゴールもマークした。「アシストだけではなくて、点も取るんだという気迫を持って戦います。チームが勝つためには、とにかく自分がいいパフォーマンスを毎試合することです」と、究極のミッションを自らに課している。 <溝渕雄志(みぞぶち・ゆうし)> 1994(平成6)年7月20日生まれの21歳。香川県出身。174センチ、68キロ。高松市立新塩屋町小1年のときに築地サッカースポーツ少年団でプレーを始めた。FCディアモから流通経大柏高(千葉)へ。同校での全国大会最高成績は3年時の高校総体8強。慶大入学後、関東大学選抜と全日本大学選抜のメンバーに選ばれている。 ◆指揮官のひと言慶大・須田監督「チームが一つになるのに時間がかかりました。去年から試合に出ていた選手が多い中、その選手たちの我(が)が強く出てしまった部分がありました。ここに来てまとまりを見せて結果を残すようにもなっていますが、今年はとにかく失点が多すぎます(10試合で18点)。守備の安定が必要だと思っています」 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中 PR情報
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