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【ゴルフ】

有村、日本ツアー復帰第1戦で首位と1打差の3位発進

2016年6月10日 紙面から

13番、ティーショットを放つ有村智恵=六甲国際GCで(神代雅夫撮影)

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◇サントリーレディス<第1日>

▽9日、神戸市・六甲国際GC(6511ヤード、パー72)▽曇り、23・5度、東1・6メートル▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽120選手(うちアマ15人)▽観衆3245人

 米LPGA下部のシメトラツアーから撤退、今大会が日本ツアー復帰初戦となった有村智恵(28)=日本ヒューレット・パッカード=が6バーディー1ボギー、67のゴルフを見せ、首位と1打差の5アンダーで3位につけた。6アンダーで首位に立ったイ・ボミ、キム・ハヌル(ともに韓国)の実力者コンビを向こうに回し、復活Vをつかむことができるかどうか。同じく5アンダー3位に福田裕子(34)=関西軽井沢GC=、4アンダー5位に福田真未(23)=えん=ら5人が続いている。

 「アリチエ」が戻ってきた。「約3週間ぶりの試合だったし、この数カ月でスイングも変えていて、正直どうなるか読めなくて。日本に帰って来たことのプレッシャーも感じていた」と有村。カチコチの手探り状態で立ったスタート10番ティーグラウンドだった。だが日本ツアーの空気、景色、リズム…。それらが有村の心とゴルフを“急速解凍”した。

 インコースで2バーディーを奪って折り返すと、2番では3パットでボギーを献上したが、4番で5メートルを沈めた。「私自身は自分がアメリカにいようと日本にいようと、皆さんはあまり興味がないだろうと思っていた。でも、帰って来てくれてうれしいとか、期待していただいている声もたくさん聞けて…」。7番からの上がりホールは1メートル、3メートル、10メートルをものにして3連続バーディーのフィニッシュ。スタート時はこわばっていた顔が、18ホールを終えると自信と充実感にあふれていた。

 「シメトラでやってると、ギャラリーもほとんどつかないし、拍手も声援も聞かないから、手の上げ方も忘れてるくらいでした。楽しかった」。前週から取り組み始めたメンタルトレーニングの成果も感じたという。「目を閉じ、頭の中で緊張した場面をつくって、そこでいつものスイング、パッティングをしてボールをカップに沈めるというシミュレーションの繰り返し。この3、4年、失敗のイメージが多すぎて成功の思考回路をつくれてなかったから」

 この日のラウンド終盤は、悪いイメージに支配されることなく「入るイメージ」でボールの前に立ち、それがバーディーにつながったと話した。

 復帰戦でいきなりの優勝争いとなったが、シード権を失っている有村には遠慮している余裕もない。「(地震で被災した)地元熊本のためにも」、4シーズンぶりの優勝をつかみに行く。 (月橋文美)

 <有村智恵(ありむら・ちえ)> 1987(昭和62)年11月22日、熊本市生まれの28歳。159センチ、58キロ。血液型O。父の勧めで10歳でクラブを握り、中学2年時の2001年に日本ジュニアを制覇。宮城・東北高へ進学し、03、04年の東北女子アマ連覇。06年のプロテストにトップ合格した。08年のプロミスレディスでツアー初V。11年のスタンレーレディスではアルバトロスとホールインワンを1ラウンドで同時達成した。09、11、12年はいずれも賞金ランク3位。12年の日本女子プロ選手権まで通算13勝し、13年から米ツアーを主戦場にしたが、熊本地震を契機に帰国した。

 

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