石垣修復費用354億円 文化庁試算
熊本地震で被害を受けた国指定特別史跡の熊本城(熊本市中央区)について、熊本市の大西一史市長は10日、市議会6月議会で、崩落した石垣の修復費用に約354億円を要するとした文化庁の試算を明らかにした。
市熊本城総合事務所によると、熊本城の全石垣約7万9000平方メートルのうち、50カ所の約2万3600平方メートルで石垣が崩落したり、ずれたりした。文化庁の試算では、石垣の撤去や積み直しなどの作業に伴って、1平方メートル当たり150万円かかると見込んでいる。
50カ所のうち市道や民有地に石垣が崩れ落ちた4カ所については、1日から撤去作業が始まっている。瓦が落下した天守閣や倒れた塀などはまだ被害の全容が分かっておらず、修復費用の試算はされていないという。【野呂賢治】