堀込泰三 - こころ,ニュース・コラム,モチベーション,仕事術,生産性向上,社会,科学 11:00 PM
いつも先延ばす自分にさようなら。怠け癖を克服する7つのコツ
Inc.:失敗にくよくよしていると、自分の怠け癖が生まれ持った弱みのように思え、何とかして克服しなければと罪悪感を感じるかもしれません。
でも、そんな考え方は捨ててください。
心理学者のLeon Steltzer氏が、罪悪感は何ももたらさないと言っています。Psychology Todayの記事より。
個人的な経験上、あるいはセラピストとしての経験上、怠け癖というものは人間の行動が実質的に無駄なものであることの説明だと思っています。
恥は、先延ばし対策にはなりません。同様に、自分に行動することを言い聞かせても無駄なだけ。
では、怠け癖を克服する方法はないのでしょうか。実は、熟考やインスピレーションではなく、もっとシンプルな行動変容にあったのです。
1. 環境を変える
起業家John Rohn氏は言いました。
あなたは最も長い時間を一緒に過ごす5人の平均だ。
この言葉には、科学的根拠があります。
『I Will Teach You to Be Rich』のRamit Sethi氏が、かつてのメンターであるスタンフォード大学の説得の専門家BJ Fogg氏にポッドキャスト向けのインタビューをしたとき、Fogg氏は「環境が行動を支配している」という研究結果に言及していました。
たとえばある日、Fogg氏の友人が、娘を高い大学に行かせているのにぜんぜん勉強しないと不平を漏らしました。そこでFogg氏は、こう答えたそうです。
娘さんに勉強を始めさせる確実かつ最速の方法は、勉強をしている人が多い寮に入れることだ。
つまり、あなたの怠け癖を克服するには、コワーキングスペースに行く、カフェにPCを持ち込んで働く、図書館で論文の続きを書くなどの方法が特効薬になるかもしれません。
2. モチベーションを忘れる
終わらせたかったことを終えられなかったとき、それを自分のモチベーションのせいにしているかもしれません。でも、モチベーションなんてものは忘れましょう。前述のインタビューで、Fogg氏はこのように述べています。
目標がジムに行くことなら、それが達成できなくてもモチベーションのせいではないと思います。モチベーションがそもそもない人は、モチベーションがないことを嘆くことはないのですから。だからきっと、あなたには十分、モチベーションがあるはず。
自分の怠け癖にストレスを感じているくらいなら、少しでもいいので前に進むことです。目標に向けて、今できる小さなアクションは? それを実行しましょう。
たとえばFogg氏は、歯間ブラシで歯を磨かなければならなくなったとき、子どものころからの歯磨き習慣から抜け出せない自分に腹を立てるようなことはしませんでした。それよりも、歯間ブラシを歯ブラシの隣に置き、1日に1本の歯をフロスすることにしたのです。たったの1本です。
この小さな一歩がやがて習慣として定着し、Fogg氏は最終的に、歯科衛生士もびっくりするほどフロスをするようになったのです。
大きい計画だと、圧倒されてうまくいかないことが多いのです。
ですから、スモールステップから始めて、それを雪だるま式に増やしていきましょう。起業家のMark Manson氏はこう言っています。
行動はモチベーションの結果であるだけではなく、その原因でもある。
3. バリアを壊す
小さな勝利にこだわるだけでなく、あなたを目標から遠ざけている小さなバリアを壊しましょう。人はバカバカしいほどにやる気を失いやすいもの。でもご安心を。それらの小さな障壁は、驚くほど簡単に取り除けます。
Fogg氏の場合、戸棚を開けて歯間ブラシを取り出すこと(と怠け者の自覚)がその小さな障壁でした。彼はそれを、歯ブラシの隣に置くことで解決しました。
Sethi氏は、朝の冷たい寝室の床を通ってトレーニングウェアを取りに行くことが、ジムに行かない理由になっていました。そこで、ベッドの横にウェアを置くことで、運動が習慣になりました。
とにかくバリア(障壁)を見つけることです。どうやってモチベーションを高めようなんて疑問にエネルギーを費やすよりも、そっちのほうがよっぽど効果的です。
とFogg氏は結論付けています。
4. 失敗を許す
すべてのプロジェクトが簡単なスモールステップに分解できるわけではありません。ビジネスを始めたい人は、小さなステップのリストを作ることも必要ですが、きっと頭の中ではどんな大きな仕事ができるだろうかと考えているでしょう。そのToDoリストに着手するには、恐怖に立ち向かわなければなりません。
掲示板サイト「Reddit」ユーザーのIAmScienceさんは、このように述べています。
何かをすれば、必ず失敗のリスクが伴います。そのようなリスクがあまりにも大きく見え、かつ完ぺき主義が強いときには、有意義で生産的なタスクでさえ価値がないように感じられます。やれることがあるのに、なぜ失敗のリスクを考える必要があるのでしょうか。頭の中では、それらの選択肢が失敗になることはわかっているかもしれません。それが悲劇のもとなのです。
失敗することを自分に許可しなければなりません。時には完ぺきじゃなくてもいいのだと自分に言い聞かせるのです。何かに失敗したりミスを犯したりすることは、新しいことを学ぶ機会になるでしょう。
5. 制約を設ける
超生産的な教授であり作家でもあるCal Newport氏は、ブログ「Barking up the Wrong Tree」において、怠け癖を克服する手段を提案しています。
多くのことを達成するには、常に働き続ければいいわけではありません。むしろ、スケジュールを決めてそれを固守することで、より多くのことを達成できるというのがNewport氏の主張です。
Newportの場合、毎日17時30分には仕事を終えると決めています。
まず理想のスケジュールをフィックスして、そこから逆算してすべてを合わせていきます。容赦なく義務を切り捨て、他者を退け、リーチしにくい場所に身を置き、わずかに有益なタスクは削ぎ落とします。
このようにスケジュールを固定することで、その瞬間における本当にスマートで有益、かつ生産的な決断ができています。
6. 仲間を作る
怠惰の克服には、怒りや恥は何の役にも立ちません。一方で、仲間からのプレッシャーは非常に高い効果を発揮します。
たとえば、「Lifehack」のJ.S. Wayne氏はこのように書いています。
モチベーションの高い同僚、友人、家族に助けを求めることは間違っていません。重い腰を上げて動き出すには、とても有益な方法です。彼らがあなたのモチベーションを高めてくれるでしょう。
7. テックの助けを借りる
ソーシャルでないあなたは、テックの助けを借りましょう。米LifehackerのライターEri Ravenscraft氏は、このように書いています。
効果的なやり方のひとつは、目標管理ツールを使うこと。目標を設定し、達成したらチェックを付けます。こうしたアプリには2つの利点があります。第一に、やるべきことを覚えておけて、過去の自分の責任を追求できることです。そして、もっと重要なことは、自分がどれだけ多くを達成したかを見せてくれることです。
自分の性格など変えなくても、習慣を変えることはできます。「やったことリスト」が効果的なのはそのためです。自分が新しい習慣を築けたこと、小さな進歩を繰り返してこれたことが見えれば、前進し続けるモチベーションになります。
How to Stop Being Lazy: 7 Tips | Inc.
Jessica Stillman(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock
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