読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LINE(3938)のIPOについて ~想定発行価格は、2,800円~

個別銘柄 トレードアイデア

f:id:semiken:20160610185735p:plain

 

LINEの上場が決定しました。2016年7月15日東証に上場予定ですが、ニューヨーク市場には2016年7月14日上場予定となります。

 

 

ニューヨーク市場で先に初値が決まりそうなので、そちらを睨みながら東証での初値も決まってきそうです。

 

 

上場の噂は何度もありましたから遅すぎるという意見もありますが、これだけ閑散相場の中、間違いなく注目はされます。想定発行価格は、2,800円となるようです。

 

 

 

では有価証券報告書等資料についてみていきます。

 

1.概要

2.2015年12月期決算について

3.2016年第1四半期決算について

4.役員報酬について

5、まとめ

 

 

 

1.概要

①公募・売出し株数について

f:id:semiken:20160610165254p:plain

(※1)

 

 

公募・売出についてですが、公募については、35,000,000株で、売出しが5,250,000株です。海外の方が割合が大きいですね。

 

公募も売出共に、国内37% 対 海外63%の比率で配分される予定です。日本でも1000万株以上配分があるので当たる可能性は比較的高そうです。

 

f:id:semiken:20160610192841p:plain

 

 

②証券会社について

f:id:semiken:20160610170648p:plain

(※2)

 

配分される株数については未定ですが、大どころが並んでいますね。野村、三菱UFJモルガン、みずほ、大和、SMBC日興あたりの大手5証券会社がきっちり入っているので、申し込むならこのあたりの大手の証券会社を使いましょう。東海東京証券は穴場かもしれませんね。SBIの配分次第ですが、ネット証券の競争率は高そうです。

 

2.2015年12月期決算について

f:id:semiken:20160610172217p:plain

f:id:semiken:20160610172908p:plain

(※3)

 

 

LINEの2015年12月期の単独決算は、決算公告で以前から確認できました。単独決算は赤字だったのですが、連結決算も赤字となっています。

 

2015年12月期 EPS▲43.33円、2014年12月期 +22.14円となっています。営業CF-投資CFベースでのFCFで考慮しても大きくマイナスが大きく、まだまだ投資拡大期の会社といえそうです。

 

2015年12月期について投機純損失の理由は以下の項目等だと注記に記載があります。

・スマートホンフォンでの課金決済の手数料

・IP保有者に対するロイヤリティ

・従業員の増加

 

セグメントで確認すると2つのセグメントあります。

①LINE ビジネス・ポータル事業

②Mix Radio 事業

 

②の音楽サービスが足を引っ張っていることが確認できます。有報を読むと2016年2月に撤退を決めているので、今期(2016年12月期)はそれほど損失が出ないと考えても良さそうです。

 

 

f:id:semiken:20160610192605p:plain

ただし、ラインの本業である①で見ても、営業利益率は2%程度、22億円ほどの営業利益なので、後述しますが、人件費等の費用がかなりまだ先行しているといえそうです。

 

特に従業員は増えていますね。

2013年1,340人⇒2014年2,019人⇒2015年3,153人と物凄い勢いで増やしてます。2016年4月30日時点では、さらに従業員数は3,182人と増加していることがわかります。

 

f:id:semiken:20160610173603p:plain

(※4)

 

以下の資料を見ると、平均年齢は低いものの、平均年収は約800万円ですね。このあたりが、今のところ赤字となっている要因だと思いますが、まだまだ拡大を目指しているので良し悪しは難しいところです。

 

ざっくりな計算ですが、3,000人×800万円かかると、240億の人件費は発生しているのは覚えておいた方がいいかもしれません。

f:id:semiken:20160610173825p:plain

(※5)

 

 

 

3.2016年12月期第1四半期決算について

f:id:semiken:20160610175857p:plain

(※6)

 

今度は、直近の決算をみてみましょう。

 

2016年1月~3月決算についてですが、売上334億円 営業利益53億円とあるので、これが今後9ヵ月も同様に継続した場合を想定してみましょう。

 

(2016年12月期予想)

売上334億円×4=1,336億円 

営業利益×4=212億円

 

時価総額が6,000億円以上(売出価格2,800円)を予定しているようなので、そのベースで考えてみます。

6,000億円÷212億円=約30倍となります。これは営業利益ベースなので、当期純利益で考慮するとPERで40倍~50倍前後といったところでしょうか。

 

今後も高成長を続けるなら特に問題はないPERになるかと思いますが、LINEのビジネスが世界的にどこまで伸びるかですね。

 

利益が15%程度ずつのびて、4年で利益が2倍になるなら、PERは20倍~25倍程度になりますね。人件費を絞って、コスト落とせば達成は可能なレベルかなとも思えます。

 

ただし、かなり甘くみてこの数値なので、正直上場ゴール案件の可能性があることは、頭にいれて、短期での勝負がメインですかね。

 

 

4.役員報酬について

f:id:semiken:20160610180813p:plain

 

(※7)

 

役員報酬ですが、合計55億円が2015年に計上されています。巨額なストックオプションだと思いますが、上場まで持ってきた対価なんでしょう。

上場ゴール案件ではないことを願います。

 

5.まとめ

f:id:semiken:20160610182538p:plain

(※8)

最後になりましたが、MAUもみてみましょう。MAUはMonthly Actiive Userの略で、実際使っているユーザーですね。約2億1,600万人が使っていますが、このグラフを見ると、やはり伸びが鈍化しているのは間違いなさそうです。

 

2015年に上場していれば、間違いなくもっと盛り上がったでしょう。

 

コメダもLINEも参加者にはなかなか渋い(?)案件となりそうですね。基本的には、大型IPOはお祭りだとは思っているので、参加したいと思います。需要については証券会社の担当者と相談しつつという感じですね。有価証券報告書が300ページを超えており、追記・修正もしていきます。

 

初値予想はまた分析して改めてご報告します。さすがに公募割れというのは無いと思っていますが、7月も閑散相場が予想される中どうなるか期待しています。

 

ちなみにLINEのスタンプを3年ぶりぐらいに買ったんですが、200円を超えていました。3年前は100円だったと思うんですが、値上がりしたんですかね?

 

現時点での評価は上場ゴールな雰囲気ですが、どうでしょうか。関連記事も張っておきます。

 

※1、2 「新規上場会社概要」より引用

※3~8 「新規上場申請のための有価証券報告書」より引用