広島市の平和記念資料館(原爆資料館)は9日、5月27日にオバマ米大統領が資料館を訪れた際、持参した手作りの折り鶴4羽とオバマ氏が記帳した芳名録を一般公開した。
オバマ氏は資料館訪問の際、2歳のとき被爆、10年後白血病を発症して死亡し、平和記念公園の「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんが病気の回復を願って折った鶴などを見学した。
その後、資料館で市の代表として出迎えた子ども2人に2羽を贈り、核兵器廃絶に向けたメッセージを記した芳名録に2羽を添えた。いずれもオバマ氏が自ら折ったという。
名古屋市から家族旅行で資料館を訪れた遠山百合子さん(87)は戦時中、軍需工場で働いていたという。折り鶴を見て「感激した。感謝で胸がいっぱいになった」と涙をにじませた。福島県田村市から訪れた根本君江さん(67)は東日本大震災で避難した経験に触れ、「世界から核をなくし、子どもには残してほしくない。(折り鶴をきっかけに)平和を考えてほしい」と語った。
一方、島根県から修学旅行で訪れた小学5、6年生の児童たちは「(鶴が)上手に折れていた。長い時間をかけたのが伝わった」などと口々に感想を話した。
折り鶴と芳名録は8月31日まで資料館本館に展示する。開館時間は午前8時半〜午後6時(8月は午後7時、同月5、6日は午後8時まで)。