【マニラ=佐竹実】アジア開発銀行(ADB)は10日、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)との初めての協調融資を承認したと発表した。融資先はパキスタンの高速道路建設で、ADBとAIIBが1億ドル(約106億円)ずつ融資する。英国による3400万ドルの無償供与も含め、ADBが融資の実務を取り仕切る。
融資の対象は、パキスタンのパンジャブ州に建設する4車線、64キロメートルの高速道路。ADBの中尾武彦総裁は10日、「アジア太平洋のインフラ需要に応えるためAIIBと協業する歴史的な事象だ。パキスタンの南北の接続を改善することで、雇用創出や貧困削減などの効果が期待できる」とコメントした。