スペインの国民的娯楽といえば、「闘牛」。マタドールと呼ばれる剣士が片手に剣、もう一方に赤布を持ち、布をひらひらと振りかざしながら牛と対峙する姿が有名ですよね。この闘牛で赤い布を使うのは、牛が赤い布に興奮しやすく、より牛の闘争心をあおるためだと思っている人、多くありませんか?
実はこれ、本当はそうではないんです!確かに昔は牛は赤色に興奮すると信じられていたようで、そのなごりが今も続いているわけですが、本来、牛の目は人間とは違って色彩を識別することがほとんどできません。そのため赤い布だから興奮している、というわけではないのです。
動くものに敏感に反応する牛の習性を利用し、牛の視界でマタドールが布をひらひら動かすことで、牛を挑発しているんですね。だから布を青や黄色に変えても問題はなし!ということに。
とはいえ、人間にとって赤は気持ちを高揚させる色なので、闘牛場の観衆を興奮させるにはとても効果的。それにラテンの国、スペインにはやっぱり情熱的な赤がしっくりきますよね!
ちなみに闘牛の最初の場面では“カポーテ”という、表がピンクで裏が黄色のマントを使って牛をあしらう演技が見られます。これは事前に牛の気性やクセ、動きなどを見抜くための儀式だそう。
ところで18世紀頃に現在の形式になったといわれている闘牛は、スペイン人にとってはなくてはならない国技。その主役である闘牛士はスペインの男の子たちが憧れる職業のひとつですが、意外なことに闘牛士は年齢、性別、国籍不問。実際にこれまでにも数人、また現在も活躍している日本人闘牛士がいるそうです。スペインに行く機会があれば、ぜひ現地で観戦してみたいものですね!
参考文献・出典
「世界の歴史と文化 スペイン」(増田義郎 著/新潮社)
「わがまま歩き17 スペイン」(実業之日本社)
(社)日本眼科医会webサイト「目の健康.jp」 http://www.menokenko.jp
※掲載時現在の情報を基に構成しています。