秋田の山林で遺体見つかる クマに襲われたか

秋田の山林で遺体見つかる クマに襲われたか
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クマに襲われて死亡したとみられる被害が3件相次いだ秋田県鹿角市の山林近くで70代の女性の行方が分からなくなり、警察などが捜索した結果、10日午前、現場付近から遺体が見つかりました。
警察は行方不明だった女性とみて確認を進めるとともに、クマに襲われた可能性もあるとみて調べています。
警察によりますと、9日、秋田県鹿角市十和田大湯の山林近くの道路で無人の車が止まっているのを通りかかった人が見つけ、警察が確認したところ、青森県十和田市の自営業、鈴木ツワさん(74)が乗っていたとみられ、8日から自宅に戻っていないことが分かったということです。
警察は、山菜採りで山に入って遭難したとみて消防とともにけさから捜索を行った結果、午前10時半すぎ、現場付近から遺体が見つかりました。損傷が激しいということで、警察は、遺体は鈴木さんとみて確認を進めるとともに、クマに襲われた可能性もあるとみて調べています。
近くでは先月下旬、たけのこ採りの男性3人が相次いで死亡していて、いずれもクマに襲われたとみられています。鹿角市は、たけのこや山菜採りで現場周辺の山に入らないよう呼びかけています。

たけのこ採りの別の男性も「クマを見た」

遺体が見つかった現場近くにたけのこ採りに来ていた青森県十和田市の72歳の男性は「この前、この近くに来た時も目の前でクマを見た。山林には、鈴や笛を身につけて複数で声をかけながら入っている。家にいてもやることはないし、売ればお金にもなるので、たけのこ採りに来る」と話していました。
被害があった山林に山菜採りなどで入る人があとを絶たない状況に、地元の鹿角市は、現場周辺の山に入らないよう呼びかけています。

相次ぐ被害 自粛呼びかけ

秋田県鹿角市十和田大湯の山林では、先月下旬からクマに襲われたとみられる死亡事故が相次いでいます。
先月21日にたけのこ採りをしていた79歳の男性が死亡しているのが見つかったほか、先月22日には西におよそ1キロの山林でたけのこ採りをしていた70代の夫婦がクマ1頭と遭遇し、このうち夫の78歳の男性が死亡しました。
さらに、先月30日には、北東におよそ3キロのところでたけのこ採りをしていた65歳の男性が死亡しているのが見つかりました。10日、遺体が見つかったのはこの場所の近くです。
鹿角市や警察は、現場付近の道路を立ち入り禁止にして山に入ることを自粛するよう呼びかけています。
クマの生態に詳しい北秋田市の阿仁熊牧場の小松武志園長は「近い場所でここまで被害が相次ぐのはまれで、同じクマに襲われた可能性もある。もし仮に同じクマだとすれば人間を食べ物だと認識し始めているおそれがあり、次も人間を襲うかもしれないので注意するべきだ。山に入る際に鈴を付けるといった対策は、このクマに対しては意味を持たない」と指摘しています。