参院選「本当の争点」
6月22日公示の参院選は自民、公明の政権与党に対して民進、共産を軸とする野党が対決する構図だ。野党4党は32の1人区で統一候補を擁立する。それだけに対立軸も明快だ。アベノミクスと安全保障法制の是非をめぐる選挙戦になる。
野党は2〜6人区では従来同様、各党が独自の候補を擁立する。各党の独自政策がなくなってしまったわけではないが、民進、共産、社民、生活の4党は8日、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と政策協定を結んだ。
だから野党がどんな「統一政策」を掲げているのか、市民連合との協定の中身を見れば分かる。統一候補の母体は民進だったり無所属、共産だったりするが、基本的にはこの協定のラインに沿って政策を訴えるはずだ。
そこで協定(http://shiminrengo.com/archives/869)を見てみよう。
最初に掲げたのは、安保関連法の廃止と「立憲主義の回復」だ。そもそも立憲主義の考え方自体が与党の解釈とは異なるので、言葉はさておき、具体的に何を言っているのかといえば、集団的自衛権の限定的行使を容認した閣議決定の撤回である。
それに格差是正、子どもと若者に対する支援と女性差別の撤廃、所得税や法人税の見直しによる公正な税制の実現、環太平洋連携協定(TPP)反対、沖縄の辺野古基地建設の中止などを求めている。
景気回復や経済成長はどうするのか、と思ったら「公正な分配・再分配や労働条件を実現し、格差や貧困を解消することこそが、生活者の購買力を高め、健全な需要を喚起し、持続可能な経済成長を可能にします」とあった。
つまり成長が格差を是正するのではなくて「格差是正が成長を促す」と主張している。これは経済政策をめぐる昔からの論争でもある。パイのサイズを大きくするのか、それとも切り分け方を変えるのか、という議論だ。
米国の大統領選でも、民主党のサンダース候補が格差是正が成長を促すという考え方に立っている。残念ながら、サンダース候補はクリントン候補に負けて、レースから脱落したが…。
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