音楽やラジオを聴きながら勉強した経験がある方も多いと思う。いわゆる”ながら”勉強や作業の効率性を調べる調査が行われた。
具体的には、イヤホンやヘッドホンで音楽を聴きながら仕事をすると生産性の低下に繋がるのかというもの。
結果は、ある条件下では音楽を聴きながら作業をすることで、生産性アップにつながるが、また一方で別の場合では音楽が危険な程に仕事の効率を下げることが明らかになった。
何か新しいことを吸収したり覚えたりする時はバックミュージックはない方が良い。18歳から30歳の被験者に対して特定の順番で提示された音を思い出してもらう作業をさせた。音楽を聴きながら作業している時の方が静かな環境で行う時より作業効率は悪かった。お気に入りの音楽は気分を盛り上げてくれるが、記憶力が要求される作業の時は集中力を欠かせる要因の一つになる。
別の場合は音楽が仕事の効率アップに大きな効果を見せる。
これまで何度も繰り返した作業をリラックスした雰囲気の中で集中力を持って行う作業の場合である。例えば外科医である。外科医は手術室で音楽を聴きながら手術を行い、効果があるという。
手術室の中で働いているのは外科医だけではなく麻酔科医もいる。麻酔科医たちのアンケートによると彼らの4分の1は音楽が他のスタッフ達とのコミュニケーションの障害になっていると感じていること、約半数は麻酔系のトラブルに対処している時に音楽で気が散ると感じていると答えた。
また最近の調査では歌いながらの作業も集中力を欠かせる原因の一つだと分かった。
歌いながら車の運転をしているドライバーは歌っていないドライバーよりも危険に対する反応が遅かったという。しかし、興味深いことに実験ではスマッシュ・マウス演奏による「アイム・ア・ビリーバー」とジョン・レノンの「イマジン」を歌いながらシミュレーションドライブをさせた時はドライバー達の仕事量をアップさせ、脇見運転も少なく、前方に集中しながら運転できたという。
クラシックや楽器だけの音楽は精神的なパフォーマンスを高めてくれる。洗濯物を畳んだり、ファイリングなどの単純作業の時は音楽で楽しい気分になる。音楽を聴きながら速く走れるランナーもいる。しかし、勉強したり暗記したりする場合は静寂が一番である。
やはり”ながら”勉強は余りおすすめではないということのようだ。