八木拓郎
2015年10月15日12時10分
インターネットで見知らぬ人と交流できる「コミュニティーサイト」を利用し、今年上半期(1~6月)に事件に巻き込まれた18歳未満の少年少女は796人に上った。前年同期より98人(14・0%)多く、上半期としては過去最悪。大半が少女で、大人との交流を厳密に制限していないサイトでの被害が目立った。
警察庁が15日、発表した。増加が目立つのは、利用者が一対一でやりとりする「チャット型」で、「友達作りTalk(トーク)」「ぎゃるる」「スマとも」など。同時に複数に発信できる「ライン」「ツイッター」「フェイスブック」などの「複数交流型」でも急増した。
「グリー」などサイトの中でメッセージをやり取りする「ミニメール型」、「ひまトーーク」など無料通話アプリの「ID交換掲示板」は被害者が減った。警察庁は、利用者の年齢確認や不適切なメッセージの監視・削除、大人と子どもの交流禁止などの対策が進んだためとみており、「取り組みが不十分なサイトに被害者がシフトしている。強化するよう引き続き要請する」としている。
どんな被害に遭ったのかを見ると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反が391人(49・1%)と最も多く、青少年保護育成条例違反が371人(46・6%)と続いた。強姦(ごうかん)は12人(1・5%)、略取誘拐も2人(0・3%)いた。
コミュニティーサイトへのアクセス方法は、678人(85・2%)がスマートフォン。有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリング機能の利用の有無が判明した349人では、13人(3・7%)しか利用していなかった。
一方、出会い系サイトで事件に巻き込まれた少年少女は、上半期は48人で過去最少。昨年同期から34人(41・5%)減った。(八木拓郎)
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〈コミュニティーサイト〉 交流サイトのうち、異性間の交流を専らの目的とする「出会い系サイト」を除くもの。出会い系サイトは法律で18歳未満の利用や性行為を誘う書き込みが禁じられており、運営は届け出制だ。一方、コミュニティーサイトには規制がない。
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■被害防止に保護者ができること(警察庁による)
・子どもと普段からコミュニケーションをとり、ネットの利用実態を把握する
・ゲーム機や携帯音楽プレーヤーなどでもネットが使えることを理解し、利用実態を把握する
・アプリの利用ルールをつくる
・フィルタリング機能を十分に理解し、利用させる
・ネット上で知り合った人と会う危険性を教える
・住所や顔写真などの個人情報をネットで知り合った人にメールで送る危険性を教える
・コミュニティーサイトの危険性を、実際に起きた事件を例に挙げて説明する
・トラブルに巻き込まれそうになったら警察に相談する
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